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問い合わせフォームに添付ファイルをつける方法とセキュリティリスク

問い合わせフォームに添付ファイルをつけられるようにすると、資料や画像を一緒に送ってもらえるため、やり取りがスムーズになります。一方で、ファイルを扱う以上、セキュリティリスクにも十分な注意が必要です。

このページでは、添付ファイル機能の基本から、実装方法、安全に運用するためのポイントまでを解説します。

問い合わせフォームの添付ファイルとは

問い合わせフォームの添付ファイルとは、ユーザーが画像やPDFなどのファイルをフォームに添付して送信できる機能です。たとえば、資料請求や各種申し込みの際に、本人確認書類や写真などを一緒に提出してもらいたい場合に使われます。

当社が制作したピュアカナダのお申込フォームでも、この添付機能を活用しています。渡航に必要なパスポートの写真を、事前に画像ファイルとしてアップロードできるように設計しました。以下は、実際に設置した画像添付欄の例です。

ピュアカナダのお申込フォームにある画像添付機能の画像

このように、画像を添付するためのボタンを設置することで、スマートフォンからでもスムーズに操作でき、郵送やメール添付の手間を減らせます。

一方で、ファイルの受け取りにはセキュリティ上の注意点も伴います。悪意のあるファイルがアップロードされるリスクや、サーバーへの負荷といった課題もあるため、機能の追加にあたっては慎重な設計が求められます。

問い合わせフォームに添付ファイルをつける方法

問い合わせフォームにファイル添付機能を加える方法はいくつかあります。サイトの制作方法や目的に応じて、適切な実装手段を選ぶことが大切です。

HTML・CSS・PHPなどのコードで作成

HTMLやCSS、PHPを使ってフォームを作成する方法は、自由度が高く、細かい部分まで自分で設計・管理できるのが特長です。

ファイルをアップロードするには、<form>タグにenctype="multipart/form-data"を指定し、ファイル選択用の<input type="file">を組み込む形で実装します。

受け取ったファイルは、サーバー側のPHPで適切に処理し、保存やバリデーションを行う必要があります。ただし、この方法はセキュリティ面で注意すべき点が多く、入力内容のバリデーション、不正な拡張子の制限、ファイルサイズの制御、アップロード先ディレクトリの権限設定などをしっかり設計する必要があります。

専門的な知識が必要となるため、開発経験がない場合はハードルが高い手法といえるでしょう。

WordPressプラグインを利用

WordPressでサイトを制作している場合は、プラグインを使って簡単にファイル添付機能を追加できます。代表的なプラグインにはContact Form 7やWPFormsなどがあり、いずれもファイルアップロード用の入力項目をフォームに追加する設定が可能です。

これらのプラグインは、設定画面から簡単な記述で項目を増やせるため、コードが苦手な方でも扱いやすいのが特徴です。ただし、セキュリティ設定やアップロード制限は自分で確認・設定する必要があるため、運用時には十分な注意が求められます。

フォーム作成ツールを利用

もっとも手軽に導入できるのが、フォーム作成ツールを利用する方法です。formrun、Googleフォーム、formzなど、コード不要で使えるサービスが多数存在しており、基本的なフォームの作成からファイル添付機能の追加まで、数分で完了するものもあります。

これらのツールは直感的に操作できるUIを備えており、専門知識がなくても導入できる点が魅力です。多くのツールで、アップロード可能なファイルの種類や容量を設定できるほか、自動通知やスプレッドシート連携など、運用を支える便利な機能も揃っています。

ただし、無料プランではファイル添付機能が制限されていたり、保存期間に上限がある場合もあるため、用途に応じて有料プランの検討も必要になります。セキュリティに関しても、ツール側の仕様に依存する部分があるため、重要なファイルを扱う場合は提供元の安全性を確認しておくことが重要です。

添付ファイル付きの問い合わせフォームで起こるセキュリティリスク

ファイル添付機能をフォームに導入する際には、利便性と引き換えにさまざまなセキュリティリスクも生じます。ここでは、実際に起こりうる代表的なリスクを紹介します。

ファイルの閲覧・改ざん・削除のリスク

フォームを通じて受け取ったファイルは、サーバー上に保存されることが一般的です。しかし、保存場所の設定やアクセス制御が不適切な場合、第三者にファイルの中身を見られてしまう恐れがあります。さらに、悪意あるユーザーによって、ファイルの内容を書き換えられたり、削除されてしまうといったリスクも否定できません。

たとえば、ファイルのURLが推測可能な形式だったり、サーバー上のディレクトリが外部公開状態になっていたりすると、意図しない形で情報漏洩につながることもあります。こうした状況は、フォームに画像や書類を添付する仕組みを取り入れる際に、見落とされやすい落とし穴のひとつです。

スパムメール送信の中継点になるリスク

問い合わせフォームを通じて送信処理を悪用されると、フォームを設置したサーバーがスパムメールの送信元として利用されるリスクがあります。たとえば、ファイル添付とともに送られるメール本文に不正なヘッダー情報を差し込むことで、他者への大量メール送信が行われる可能性があります。

このような形でサーバーが不正利用されてしまうと、自社ドメインの信用が失われ、正常なメールまで届きにくくなる恐れがあります。フォーム機能に添付要素を加えることで、メール処理が複雑になり、不正アクセスの対象として狙われやすくなる点は無視できません。

サーバー攻撃の標的になるリスク

ファイル添付を許可するフォームは、サーバーへの攻撃対象としても狙われやすくなります。特に、大量のデータを何度も送信してサーバーのリソースを圧迫するファイル爆撃や、悪質なスクリプトを含んだファイルを使って実行権限を奪おうとするリモートコード実行などの攻撃が想定されます。

攻撃の手口は年々巧妙化しており、ファイル名や拡張子を変えるだけでフィルタリングをすり抜けるようなケースもあります。こうしたリスクにさらされることで、フォームそのものの稼働が不安定になったり、他のシステムにも影響が及ぶ可能性がある点には注意が必要です。

問い合わせフォームの添付ファイル機能を安全に運用する方法

問い合わせフォームの添付ファイル機能は便利な反面、運用方法を誤るとセキュリティリスクにつながります。ここでは、安全に運用するために実施しておきたい対策を紹介します。

保存場所を外部からアクセスできないディレクトリに設定する

ファイルをアップロードする際には、その保存先に注意が必要です。

Web上から直接アクセスできる場所にファイルを保存してしまうと、悪意のある第三者に中身を見られる可能性があります。たとえば、ファイル名が予測しやすかったり、アップロード先のディレクトリが公開状態であると、URLを直接入力するだけでファイルにアクセスされてしまう危険性があります。

このような事態を防ぐには、Webサーバーの公開ディレクトリとは別の場所、つまり外部から直接アクセスできない領域にファイルを保存するようにしましょう。また、保存時にファイル名をランダムな文字列に変えることで、URLを推測されるリスクも下げることができます。

フォームに添付機能を加える場合は、必ず保存設計も含めて対策することが大切です。

ホームページのSSL化を行う

SSL化は、問い合わせフォームを含むすべてのWebページにおいて、もはや必須といえるセキュリティ対策です。SSLを導入することで、フォームから送信されたファイルやテキストデータが暗号化され、通信途中での情報漏洩や改ざんを防げます。

SSLが設定されていないサイトでは、送信されるデータが第三者に読み取られる危険性があります。とくにファイル添付では、個人情報や機密資料が含まれる可能性もあるため、SSL未対応のまま運用するのは非常にリスクが高いといえます。

SSLはサーバー側で設定できるため、必ず対応状況を確認しましょう。

拡張子を制限する

添付ファイルの拡張子に制限をかけることも、セキュリティ強化に有効です。

たとえば、.exeや.js、.phpなどの実行可能ファイルは、不正なスクリプトやマルウェアが仕込まれている可能性があるため、一般的にはアップロードを許可しない方が安全です。実際の運用では、.jpg、.png、.pdfなど、安全性の高い拡張子に絞って受け付けることが推奨されます。

不要なファイル形式をブロックすることで、攻撃対象となるリスクを減らすことができます。拡張子チェックはサーバー側でも必ず実装し、クライアント側の入力制御だけに頼らないことが重要です。

添付可能な容量を制限する

ファイルの容量に制限を設けないと、大きなサイズのファイルが送られた場合にサーバーが過負荷になったり、フォームが正常に動作しなくなる可能性があります。また、大量のデータを意図的に送信するファイル爆撃などの攻撃もあるため、容量制限は必須の設定といえるでしょう。

フォームの仕様やサーバー環境に応じて、1ファイルあたりの上限サイズを決めておくことが大切です。一般的には5MB~10MBに設定されることが多く、それ以上のファイルは別の方法を案内する対応が現実的です。

添付できるファイル数の上限を定める

1回の送信で複数ファイルを受け付ける場合でも、無制限に添付できるようにしてしまうのは避けた方がよいでしょう。ファイル数が多くなるほど、処理負荷が増し、サーバーへの影響が大きくなります。さらに、意図しない大量アップロードによるトラブルや、不正アクセスの温床になる可能性もあります。

たとえば、最大で1~3ファイルまでに制限するようにしておけば、運用負荷を抑えつつ、ユーザーの利便性も損なわずに済みます。あわせて、ファイルの合計容量も制限しておくと、より安全な運用につながります。

まとめ:添付ファイル付きの問い合わせフォームはリスクを理解して使おう

問い合わせフォームに添付ファイル機能を加えることで、ユーザーからの情報収集がスムーズになり、業務の効率化につながります。PDFや画像などを直接送信してもらえるのは大きなメリットですが、その一方で、セキュリティ対策を怠ると、情報漏洩やサーバー攻撃などのリスクを招く可能性があります。

本記事では、添付機能の実装方法から起こりうるリスク、安全に運用するための具体的な対策までを解説しました。実際に機能を導入する際には、利便性だけでなく、リスクを正しく理解したうえで慎重に設計・管理することが重要です。

今後、問い合わせフォームにファイル添付機能を追加したいと考えている場合は、今回ご紹介したポイントを参考にしながら、安全性と使いやすさの両立を意識して運用していきましょう。

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