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HTML Living Standardとは?HTML5との違いや対応ブラウザ

HTML Living Standardは、現在のWebにおいて重要な位置づけを持つ仕様です。ホームページ制作に関わる中で、その名称を目にする機会が増えてきた方も多いのではないでしょうか。

この記事では、HTML Living Standardとは何かを中心に、採用の背景やHTML5との違いなどを整理してお伝えします。これからWeb制作に取り組む方や、仕様の変化に不安を感じている方に向けた内容です。

HTML Living Standardとは

HTML Living Standardとは、WHATWGによって策定・維持されているWeb標準仕様の一つです。

HTMLの仕様としては、かつてのバージョンごとに区切られたHTML4、HTML5といった形ではなく、常に最新の状態に保たれる生きているすなわちリビング仕様である点が特徴です。

これまでHTMLの仕様は、一定期間ごとにまとめてリリースされていましたが、HTML Living Standardでは細かな更新が随時行われています。そのため、現代のホームページ制作においては、このHTML Living Standardに準拠することが基本となってきています。

HTML Living Standardが採用された理由

HTML Living Standardが採用された背景には、HTMLの標準仕様をめぐる組織間の対立と調整の歴史があります。かつてHTMLの標準化はW3CとWHATWGという2つの組織が並行して行っており、それぞれが異なるアプローチで仕様策定を進めていました。

W3Cは、仕様を一つの完成形としてまとめて勧告を出す形式を取っていたのに対し、WHATWGは仕様を絶えず更新し続けるLiving Standardという形で進める方針でした。この違いにより、同じHTMLでありながら内容に乖離が生まれ、実装側であるブラウザベンダーにとっても混乱の原因となっていました。

こうした状況の中、Google ChromeやFirefox、Safari、Operaといった主要ブラウザは、次第にWHATWGのHTML仕様を優先して採用するようになりました。

MicrosoftのEdgeも従来はW3Cの仕様に準拠していましたが、最終的にはGoogle Chromeと同じChromiumベースのエンジンに移行し、WHATWGが策定するHTML Living Standardに対応する流れに加わっています。

これにより、主要なブラウザがすべてHTML Living Standardを標準として扱う流れが決定的となりました。この動きを受け、W3Cは独自に策定していたHTML5やHTML5.1などの勧告を廃止し、HTMLの標準化がWHATWGに一本化されています。

ホームページ制作の現場においても、こうした背景を知ることで、なぜHTML Living Standardが現在の基準となっているのかを理解しやすくなります。

HTML Living Standardに対応しているブラウザ

現在、HTML Living Standardに対応している主要なWebブラウザには、Google Chrome、Firefox、Safari、Opera、Microsoft Edgeがあります。これらのブラウザは、いずれもWHATWGが策定するHTML仕様を基準とし、最新のHTML Living Standardに準拠する形で日々アップデートが行われています。

もともとHTMLの標準仕様はW3Cによって管理されており、HTML5やHTML5.1といったバージョンが存在していましたが、2016年以降、各ブラウザはW3CのHTML仕様から距離を置き、HTML Living Standardを事実上の標準として扱うようになりました。

特に大きな転機となったのが、MicrosoftのEdgeが従来の独自エンジンからGoogle Chromeと同じChromiumベースのエンジンに移行したことです。これにより、Edgeも他の主要ブラウザと同様に、HTML Living Standardに準拠した仕様に対応するようになりました。

なお、Internet ExplorerはW3Cの古いHTML仕様に基づいて開発されているため、HTML Living Standardで書かれたHTMLテンプレートや新しい要素・属性が正しく表示されないケースがあります。

ホームページ制作においては、すでにIEのサポートが終了していることもあり、HTML Living Standardに準拠したブラウザでの表示を前提とするのが一般的です。

HTML Living StandardとHTML5の違い

HTML Living StandardとHTML5は、HTMLタグの基本的な書き方は共通していますが、仕様の管理方法に違いがあります。特にホームページ制作の現場では、今後も進化を続けるHTML Living Standardを前提に設計・コーディングする必要があります。

HTML5のようにバージョンが固定されているわけではないため、定期的な仕様確認や最新情報のキャッチアップも重要になってきます。以下でHTML Living StandardとHTML5の違いを表にまとめました。

比較項目 HTML Living Standard HTML5
策定団体 WHATWG W3C
仕様の形態 常に更新され続けるリビング仕様 バージョンごとの勧告形式
更新の頻度 変更があれば随時反映 数年単位でまとめて改訂
バージョン番号 存在しない バージョン管理あり
現在の標準 現在の唯一のHTML標準 2021年に勧告廃止

HTML5からHTML Living Standardで変更された要素

HTML Living Standardでは、HTML5からいくつかの要素が追加・変更・廃止されています。これらの違いを知っておくことで、より正確で現代的なホームページ制作が可能になります。ここでは、実際に変更された要素について紹介します。

追加された要素

HTML Living Standardでは、時代のニーズやWeb技術の進化にあわせて新しい要素が追加されています。以下は、HTML5には存在せず、HTML Living Standardで新たに加えられた要素です。

要素名 用途
<hgroup> 複数の見出しをグループ化するためのタグ。主に見出し構造を整理する際に使用されます。
<slot> Web Componentsで使用される要素。カスタム要素内に外部からコンテンツを挿入するために利用されます。

これらの要素は、テンプレートやコンポーネント設計にも関連し、より柔軟なマークアップが可能になります。

変更された要素

HTML Living Standardでは、既存のHTML5要素の扱いや仕様が一部変更されています。以下は、使い方や配置ルールが更新された代表的な要素です。

要素名 変更点の概要
<cite> 書籍など創作物のタイトルに限定され、作者名などを含めることができなくなりました。
<link> rel属性に特定の値を設定した場合や、itemprop属性がある場合は、<body>内に記述可能になりました。
<meta> itemprop属性を持つ場合に限り、<body>内に記述することができます。
<style> <body>内に記述することはできません。HTML5よりも厳格なルールが定義されています。

要素の使い方が変更されているため、以前の知識のままでは誤ったマークアップになる可能性があります。

廃止された要素

HTML Living Standardでは、非推奨または一部のブラウザでのサポートが薄い要素が廃止されています。以下は、HTML5に存在していたが、HTML Living Standardで正式に削除された要素です。

要素名 廃止理由
<rb> ルビのベース部分を示す要素でしたが、ルビ構造の簡素化に伴い廃止されました。
<rtc> ルビの補足的な説明を示す要素でしたが、使用頻度が低く、仕様から削除されました。

廃止された要素は、サポート対象外となる可能性が高く、ホームページ制作では使用を避けるべきです。

HTML5からHTML Living Standardで変更された属性

HTML Living Standardでは、HTML5から一部の属性が見直され、新たに追加されたものや、意味や使い方が変更されたもの、廃止された属性があります。ここでは、ホームページ制作に関わる方にとって特に重要となる、属性レベルでの変更点を整理して紹介します。

追加された属性

HTML Living Standardでは、ユーザー体験の向上やWeb技術の進化に合わせて、さまざまな新しい属性が追加されています。以下は、HTML5にはなかった新たな属性の一部です。

要素名 属性名 用途
<a>
<area>
ping リンク先のアクセス情報を送信するURLを指定します。
<body> onmessageerror 解読できないメッセージを受信した際にスクリプトを実行します。
<form> rel 現在の文書との関係性を示すリンク情報を付加します。
<iframe> allow 利用可能な機能を明示的に制御します。
<img> decoding
loading
画像の読み込み・デコードに関する制御を可能にします。
<link> as
color
disabled
imagesizes
imagesrcset
integrity
外部リソースの読み込み方法やセキュリティ、アイコン色指定など幅広い用途に対応しています。
<script> integrity
nomodule
referrerpolicy
スクリプトの読み込みと動作条件に関する制御を強化します。
<video> playsinline 動画をインラインで再生できるようにします。
全HTML要素 autocapitalize
enterkeyhint
is
itemid
itemprop
itemref
itemscope
itemtype
slot
マイクロデータやカスタム要素、スロット関連などの機能をサポートします。
イベントハンドラ属性 onformdata
onmessageerror
onsecuritypolicyviolation
onslotchange
onwebkitanimationend
onwebkitanimationiteration
onwebkitanimationstart
onwebkittransitionend
ユーザー操作やセキュリティイベント、アニメーション変化に対応するイベント属性です。これらの属性の追加により、HTMLはより柔軟かつ高機能になり、現代のWeb開発に適した構造を持つようになります。

変更された属性

HTML Living Standardでは、既存の属性の扱いや指定できる値が変更されているケースもあります。HTML5時代と同じ属性名でも、意味や使い方に差異があるため注意が必要です。

要素名 属性名 主な変更点
<a>
<area>
rel 属性値にopenerを指定できるようになりました。
<iframe> sandbox 新たにallow-modals、allow-popups-to-escape-sandboxなどの値が追加されました。
<link> rel canonicalやpreloadなど、より細かなリソース制御が可能になりました。
<meta> charset
http-equiv
name
文字コードの標準化や、セキュリティ関連の属性値が拡張されています。
全HTML要素 accesskey
inputmode
nonce
より柔軟なユーザー入力やCSPへの対応が強化されています。

これらの変更は、HTMLの進化に伴う仕様の最適化やセキュリティ強化を目的としています。

廃止された属性

HTML Living Standardでは、推奨されない古い書き方や、時代遅れとなった機能を整理する目的で、一部の属性が廃止されています。以下は、現在の仕様では使用が推奨されていない代表的な属性です。

要素名 属性名 理由・背景
<a>
<link>
revrel 属性の逆関係を示すものでしたが、利用が少なく、意味が曖昧だったため廃止されました。
<area> hreflang
type
リンク先言語やMIMEタイプの指定でしたが、用途が限定的で冗長になりました。
<html> manifest AppCacheの廃止に伴い不要になりました。
<iframe> allowpaymentrequest セキュリティ面の観点からサポート対象外になりました。
<img> longdesc アクセシビリティの向上は別の手法に移行されました。
<object> typemustmatch ブラウザ実装の都合で不要と判断されました。
<script>
<style>
charset
type
現在は自動的に解釈されるため記述不要になりました。
<table> border CSSでの装飾が主流なため、HTML属性としては廃止されました。
イベントハンドラ属性 ondragexit
onloadend
onshow
一部の操作が仕様上扱われなくなり、非推奨になりました。

これらの属性を使い続けると、将来的なブラウザの互換性に影響が出る可能性があるため、HTML Living Standardに準拠したマークアップへ移行することが推奨されます。

HTML Living Standardは廃止されない

HTML Living Standardは現在も継続して運用されており、廃止される予定はありません。むしろ、HTMLの唯一の標準仕様として、正式に採用されています。これは、過去にHTMLの標準仕様を巡って対立していたW3CとWHATWGの間で合意が成立し、HTML Living Standardに一本化されたことが大きな背景にあります。

W3CはかつてHTML5やHTML5.1などを勧告してきましたが、2021年1月28日をもってHTML関連の独自仕様をすべて廃止し、WHATWGが策定するHTML Living Standardを正式な標準仕様として受け入れました。

そしてその翌日には、WHATWGのHTML Living StandardがW3Cの勧告としても公開されています。 このような経緯から、HTML Living Standardは現在、HTMLの進化を担う中心的な存在として広く認められており、今後のホームページ制作においても、この仕様をベースにしたマークアップが基本となっていきます。

WHATWGとW3Cが標準仕様の一本化に合意したことで、HTML5との仕様の差異による混乱も回避されており、現時点ではHTML Living Standardに準拠することが最も安定した選択肢となっています。

HTML5の理解がHTML Living Standardに役立つ

HTML Living Standardは、HTML5をベースに発展してきた仕様であり、両者は構文や基本的な考え方に共通点が多くあります。そのため、HTML Living Standardを理解する上で、HTML5の知識が非常に役立ちます。

特に、HTML5を対象とした資格や試験を通じて得られる知識は、HTML Living Standardに対応したコーディングにも応用可能です。たとえば、HTML5プロフェッショナル認定試験やWebクリエイター能力認定試験などは、HTML5のマークアップ、構造、属性に関する理解を深めるのに有効な資格として知られています。

これらの資格試験は、HTML Living Standardそのものを対象としたものではありませんが、標準仕様の基礎となっているHTML5に関する知識を網羅しているため、ホームページ制作を行う上でも実践的に役立つスキルが身につきます。

HTML Living Standardは進化を続ける仕様ではありますが、基本となるHTML5の理解があれば、新しい仕様にも柔軟に対応しやすくなります。これから学習を始める方にとっても、まずはHTML5から学ぶことで、HTML Living Standardへの理解をスムーズに深めていくことができるでしょう。

HTML Living Standardのまとめ

HTML Living Standardは、現在のHTMLの標準仕様として多くのWebブラウザに採用されており、ホームページ制作においても避けて通れない存在となっています。HTML5をベースに発展してきたこの仕様は、今後も進化を続けていくため、正しく理解しておくことが大切です。

これからHTMLの学習を始める方や、HTML5との違いを知りたい方は、まずは基本を押さえつつ、HTML Living Standardに準拠したマークアップを意識することで、より現代的なホームページ制作が実現できます。

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