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PageSpeed Insightsとは?サイト表示速度の改善方法とSEO効果
ウェブサイトの表示速度は、ユーザー体験や検索エンジンの評価に直結する重要なポイントです。Googleが提供するPageSpeed Insightsは、サイトのパフォーマンスを測定し、改善点を明確にするための便利なツールです。ホームページ制作において、このツールを活用することで、高いSEO効果を目指すことが可能になります。
この記事では、PageSpeed Insightsを利用した表示速度の改善方法や、SEOにおける重要性を解説します。PCやモバイルサイトの合格点の目安などもご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
目次
PageSpeed Insightsとは
PageSpeed Insightsとは、Googleが提供する無料ツールで、ウェブサイトの表示速度を測定し、そのパフォーマンスを評価するために使用されます。このツールは、ページの読み込み速度やユーザー体験に影響を与える要素を分析し、改善のための具体的な提案を提示します。
PageSpeed Insightsは、PCやモバイルの両方のパフォーマンスを個別に評価するのが特徴です。また、Googleの検索エンジンアルゴリズムが表示速度をランキング要因の1つとしているため、このツールを活用することはSEO対策としても非常に重要です。
さらに、PageSpeed Insightsではフィールドデータとラボデータという2つの分析結果を提供します。これにより、実際のユーザー体験と技術的なパフォーマンスを総合的に把握することができます。
サイトの表示速度に課題を感じている方にとって、必要不可欠なツールと言えるでしょう。
PageSpeed Insightsでの表示速度がSEOで重要な理由
ウェブサイトの表示速度は、ユーザー体験だけでなく、検索エンジンの評価にも直接影響を与える重要な要素です。GoogleがPageSpeed Insightsを通じて提供するスコアは、検索順位にも影響を与えるランキング要因の1つとされています。
ここでは、具体的に表示速度がSEOにどのような影響を与えるのかを詳しく解説します。
SEOのランキング要因の1つ
Googleのアルゴリズムは、ウェブサイトの表示速度を検索結果の順位を決定する要因の1つとして重視しています。特にモバイルユーザーの増加に伴い、モバイルサイトの速度がSEOにおいて重要視されるようになっています。遅いページは検索順位が下がる可能性があり、逆に高速なサイトはGoogleからの評価が高まります。
PageSpeed Insightsを活用してパフォーマンスを向上させることは、SEO戦略の一環といえるでしょう。
ユーザーの離脱率・直帰率が改善される
表示速度が遅いサイトでは、ユーザーがページの表示を待たずに離脱してしまうケースが多くなります。これにより、離脱率や直帰率が高くなり、結果的に検索エンジンからの評価も低下します。
一方で、表示速度が速いサイトはユーザーのストレスを軽減し、サイト内での滞在時間やページビューを増加させることができSEO評価が高まります。
PageSpeed Insightsを使用して表示速度を改善することは、これらの課題を解決する大きな助けとなります。
指名検索を獲得できる可能性もある
表示速度の向上は、単にSEOスコアを上げるだけでなく、ユーザーからの信頼感を高める効果もあります。
例えば、速度の速いサイトで良質なコンテンツが提供されている場合、ユーザーが再訪し、直接そのサイト名で検索する指名検索を行う可能性が高まります。指名検索はSEOにおける強力な要素であり、検索エンジンからの評価をさらに高めることができます。
PageSpeed Insightsを活用して、ユーザーの満足度を高めることで、指名検索の増加を目指しましょう。
PageSpeed Insightsの使い方
PageSpeed Insightsは、Googleが提供する無料ツールで、ウェブサイトのパフォーマンスを簡単に測定できます。操作は非常にシンプルで、対象となるURLを入力するだけで、PCおよびモバイルの評価結果を個別に確認することが可能です。
ここでは、具体的な使い方について説明します。
携帯電話とデスクトップの切り替え
PageSpeed Insightsでは、携帯電話(モバイル)とデスクトップ(PC)の表示結果を簡単に切り替えることができます。この切り替え機能を利用することで、モバイルユーザー向けとPCユーザー向けのパフォーマンスを個別に確認でき、それぞれのデバイスに適した改善策を特定することが可能です。
モバイルでは特にページ速度がSEOに直結する重要な要素とされており、携帯電話の結果を優先的に確認することが推奨されます。一方で、デスクトップのパフォーマンスもユーザー体験に影響を与えるため、両方をバランスよく最適化する必要があります。
フィールドデータの確認
フィールドデータは、実際のユーザーがウェブページを利用した際の体験に基づいて評価されます。
このデータは過去30日間に収集されたもので、主に以下の指標が表示されます。
Largest Contentful Paint (LCP) | 最も大きなコンテンツが表示されるまでの時間 |
Interaction to Next Paint (INP) | ユーザー操作に対する応答性を表す指標 |
Cumulative Layout Shift (CLS) | ページ内の予期せぬレイアウト変更の量 |
First Contentful Paint (FCP) | ページ内の最初のコンテンツが表示される時間 |
Time to First Byte (TTFB) | サーバーから最初のバイトが受信されるまでの時間 |
これらの指標は、Googleが検索アルゴリズムの中で重要視しているコアウェブバイタルに含まれます。GoogleはCore Web Vitals と Google 検索の検索結果についての中で、LCP、FID、CLSを改善することで検索結果の向上や顧客満足度につながると発表しています。
コアウェブバイタルは以下のような基準で評価されます。
LCP | 良好(2.5秒以下)、改善が必要(4秒以下)、低速(4秒を超える) |
FID | 良好(100ミリ秒以下)、改善が必要(300ミリ秒以下)、低速(300ミリ秒を超える) |
CLS | 良好(0.1以下)、改善が必要(0.25以下)、低速(0.25を超える) |
これらの指標を適切に理解し改善することは、ウェブサイトのパフォーマンス向上と検索順位の向上に直結します。詳しくは、コアウェブバイタル(Core Web Vitals)とは?影響や計測、改善法のページをご覧ください。具体的な改善方法や計測ツールについても解説しています。
ラボデータの確認
ラボデータは、Googleがシミュレーションを使用してウェブページのパフォーマンスを評価した結果を示します。このデータは実際のユーザー環境に依存せず、開発中の問題や改善ポイントを特定するのに役立ちます。
PageSpeed Insightsでは、ラボデータが以下の4つの分類で点数化されます。
パフォーマンス | ページの読み込み速度や操作性に関する評価 |
ユーザー補助 | ページのアクセシビリティ改善に関する提案 |
おすすめの方法 | 表示速度やパフォーマンスを向上させるための具体的な改善提案 |
SEO | 検索エンジン最適化の観点からの評価 |
さらに、パフォーマンスのセクションでは、以下の指標が表示されます。
First Contentful Paint(FCP) | ページ内の最初のコンテンツが表示される時間 |
Speed Index | コンテンツが表示されるまでの全体的なスピード |
Total Blocking Time | ページが操作可能になるまでのブロック時間 |
また、スコアは以下の3段階で評価されます。
- 低速: スコア 0–49
- 改善が必要: スコア
- 50–89 良好: スコア 90–100
さらに、ラボデータでは、診断結果も併せて表示されます。この診断結果には、以下の項目が含まれます。
- 改善が必要な項目: 表示速度やパフォーマンスを妨げている具体的な要因
- 合格した項目: 現在の状態で基準を満たしている項目
これらの情報を基に、ウェブページの状態を正確に把握し、具体的な改善を行うことが可能です。ラボデータを複数回測定し、平均値を取ることで、より信頼性の高い結果を得られます。
PageSpeed Insightsを使った改善方法
PageSpeed Insightsを活用すれば、ウェブページの表示速度を効率的に改善する方法を明確に把握できます。
ここでは、サイトパフォーマンスを向上させるための代表的な改善方法について解説します。
ソースコードの軽量化
ウェブページの表示速度を高めるには、ソースコードを軽量化することが重要です。
たとえば、HTMLやCSS、JavaScriptの中で不要な空白やコメントを削除することで、ファイルサイズを減らせます。また、これらのコードを縮小化(Minify)することで、読み込み速度をさらに向上させることが可能です。外部リソースを統合してリクエスト回数を減らすのも効果的です。
この改善は、ウェブページ全体のスピードを向上させるだけでなく、ユーザー体験の向上にもつながります。
画像ファイルの最適化
画像はウェブページの読み込み時間に大きな影響を与えるため、最適化が欠かせません。
まず、画像を適切に圧縮することで、ファイルサイズを小さくし、表示速度を向上させることができます。また、必要以上に高解像度の画像を使用するのではなく、用途に応じたサイズに調整することも重要です。
さらに、遅延読み込みを活用すれば、ページ読み込み時にすべての画像を一度に読み込むのではなく、ユーザーが画像の位置に到達した際に読み込ませることができます。
これにより、無駄なデータ転送を防ぎ、ウェブページの初期表示速度を改善することが可能です。
キャッシュを利用する
キャッシュの利用は、ページの表示速度を向上させる効果的な手段です。
ブラウザキャッシュを設定すると、リソースをユーザーの端末に保存できるため、次回以降のアクセス時には再ダウンロードが不要になります。また、サーバー側でキャッシュを最適化することで、データ生成の負荷を軽減し、読み込み時間を短縮できます。
これらの方法を適切に実施すれば、ユーザーのストレスを減らし、SEOにも良い影響を与えるでしょう。
リダイレクトチェーンの改善
リダイレクトチェーンが多い場合、ページの表示速度が低下する原因になります。リダイレクトチェーンとは、1つのページから別のページに転送する際に、複数のリダイレクトが連続的に発生する状態を指します。このような状況では、ブラウザが余計な処理を行うため、読み込み時間が長くなります。
この問題を解消するには、不要なリダイレクトを削除することが第一歩です。また、複数のリダイレクトを1つにまとめることで、リダイレクトチェーンを最適化し、ブラウザが行う処理の負担を減らすことができます。
これにより、ユーザーがスムーズにページにアクセスできるようになり、ウェブサイト全体のパフォーマンスが向上します。
SEOにおけるPageSpeed Insightsの合格点の目安
PageSpeed Insightsのスコアは、サイトのパフォーマンスを評価する重要な指標です。SEO対策として効果を発揮するには、合格点とされるスコアを目指すことが不可欠です。
ここでは、PCおよびモバイルそれぞれで目指すべきスコアの基準について解説します。
PCの場合
PCサイトでは、PageSpeed Insightsのスコアが80点以上を目指すのが理想的です。
この基準をクリアすることで、デスクトップユーザーに対して快適な閲覧体験を提供でき、SEO評価の向上にもつながります。特に、画像やソースコードの最適化、リソースの読み込み順序の改善などが、スコア向上に大きな効果を発揮します。
スコアが80点未満の場合、ブラウザキャッシュの設定や不要なリダイレクトの削除など、PageSpeed Insightsの提案に従って改善を行うことが推奨されます。
モバイルの場合
モバイルサイトでは、スコアがPCよりも低くなることが一般的です。
目安としては、60点以上を目指すことが現実的かつ効果的です。
モバイルユーザーは、ページの読み込みが遅いと離脱する傾向が強いため、速度の最適化は特に重要です。モバイル特有の課題としては、レンダリングブロックリソースの削減や、適切な画像サイズの使用が挙げられます。
これらの改善を行うことで、モバイルパフォーマンスを向上させ、SEOの向上にもつながります。
PageSpeed InsightsのGoogle Chrome拡張機能
PageSpeed Insightsを効率的に活用する方法として、Google Chromeの拡張機能の利用が挙げられます。
この拡張機能をインストールすることで、現在閲覧中のページをブラウザ上で直接分析し、改善ポイントを素早く確認することが可能です。通常はPageSpeed InsightsのウェブサイトにアクセスしてURLを入力する必要がありますが、この拡張機能を使用すればワンクリックで分析結果を確認でき、作業の効率化につながります。
また、拡張機能ではPCとモバイルのパフォーマンスデータを簡単に切り替えられるため、モバイル特有の遅延が生じた場合でも、その原因をすばやく把握することができます。
PageSpeed InsightsのGoogle Chrome拡張機能についての詳細やインストールはこちらからご確認ください
Google PageSpeed Insights - Chromeウェブストアはこちら
この拡張機能を活用することで、ウェブページのパフォーマンス向上やSEOスコアの改善に役立つだけでなく、ホームページ制作や運営における効率的な問題解決を実現できます。
まとめ:PageSpeed Insightsでサイトの表示速度を高めよう
PageSpeed Insightsは、ウェブページの表示速度を測定し、具体的な改善方法を提案する非常に有用なツールです。サイトのパフォーマンス向上は、SEOの改善だけでなく、ユーザー体験の向上にも直結します。特に、モバイルユーザーが増加している現在、モバイルの速度最適化は欠かせない要素です。
ホームページ制作や運営を進める中で、このツールを活用することで効率的に問題を特定し、改善に取り組むことができます。PageSpeed Insightsの改善を実践し、継続的にパフォーマンスを確認することで、SEO効果の最大化を目指しましょう。