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RSSとAtomとは?違いやフィードの仕組み、特徴を紹介

Webサイトやブログの更新情報を配信する仕組みには、RSSやAtomといったフィード形式が使われています。どちらも情報配信に役立つ技術で、それぞれに異なる仕様や特徴があります。

このページでは、RSSとAtomの基本的な仕組みや特徴、配信に関する考え方について紹介します。

RSSとAtomの違いとは

RSSとAtomは、Webサイトやブログの更新情報を配信するためのフィード形式です。どちらも、ユーザーがWebサイトにアクセスしなくても最新情報を受け取れる仕組みとして利用されており、情報収集を効率化する手段として活用されています。

RSSには主に2つのバージョンがあり、1.0と2.0に分類されます。RSS1.0はRDFベースで開発され、テキスト情報の配信に特化したシンプルな形式です。一方、RSS2.0は、文字の装飾やリンク設置などの表現が可能で、より柔軟に情報を配信できます。

Atomは、RSS2.0と似た思想で設計されたフィード形式ですが、配信だけでなく編集までを想定した仕様が特徴です。Atomでは、配信用のAtom配信フォーマットと、編集操作用のAtom出版プロトコルが存在します。

また、RSSが複数の団体で独自に開発されてきたのに対し、AtomはIETFという標準化団体によって仕様が策定・管理されており、信頼性の高いフォーマットといえます。

これらRSS1.0、RSS2.0、Atomの3つのフォーマットは、更新情報を配信するという目的は共通していますが、構造や管理団体、機能面に違いがあります。特にRSS2.0とAtomは似ている点が多く、どちらを利用するかは配信する内容や環境に応じて選ばれています。

RSS/Atomフィードの仕組み

RSSやAtomは、Webサイトの更新情報を配信するための仕組みとして広く使われていますが、RSS/AtomとRSSフィード/Atomフィードでは意味が少し異なります。混同されがちなこれらの用語を整理すると、理解しやすくなります。

まず、RSSやAtomは、情報配信用の規格やフォーマットそのものを指します。更新情報をどのような構造で記述し、どのように扱うかという仕様のことです。一方、RSSフィードやAtomフィードは、その仕様に従って作成された実際のデータファイルのことを指します。

つまり、RSSやAtomは設計図、フィードはその設計図で作られたファイルといったイメージです。

このRSS/Atomフィードには、Webサイトの更新情報が記載されており、記事タイトル・リンク・公開日・概要などが含まれています。Webサイトの管理者が新しい記事を公開すると、自動的にその内容がフィードに反映されるよう設定されています。

そしてこのフィードを読み取るのが、RSSリーダーやAtom対応アプリです。ユーザーはあらかじめフィードのURLを登録しておくことで、新着情報をまとめて確認できるようになります。これにより、複数のWebサイトやブログを巡回しなくても、1つのツールで更新情報を受け取ることが可能になります。

RSSとAtomの特徴

RSSやAtomは、Webサイトの更新情報を効率的に取得できる手段として、今なお多くのWebサービスで利用されています。ここでは、実際の使われ方やユーザー視点での特徴を解説します。

RSSの特徴

RSSは、特定のWebサイトを定期的にチェックする必要なく、更新情報だけを自動的に受け取れる便利な仕組みです。多くのWebサイトやブログでは、専用のフィードURLが提供されており、これをRSSリーダーに登録することで、情報収集が一括で行えます。

RSSリーダーでは、登録したフィードから記事タイトル、概要、URL、公開日時といった情報が一覧で表示され、個別のサイトにアクセスしなくても内容の確認が可能です。特に、仕事で複数の情報源を扱う人や、趣味でブログやメディアを追いかけている人にとって、時間の節約につながる実用性の高い仕組みです。

また、RSSは比較的古くから使われていることもあり、対応ツールが非常に豊富です。シンプルなインターフェースのアプリから、カスタマイズ性の高いプロ向けツールまで選択肢が幅広いのが特徴です。

Atomの特徴

Atom形式のフィードは、RSSと同様にWebサイトの更新情報を配信するための仕組みですが、より整理された構造と明確な仕様が特徴です。XMLベースで設計されており、要素の定義が一貫しているため、開発者やシステムとの連携にも適しています。

また、Atomは配信フォーマットと編集プロトコルの両方の機能を備えており、単なる情報の提供だけでなく、外部からの投稿や編集といった操作も可能にする仕様となっています。こうした特徴から、ブログサービスやCMS、API連携など幅広い場面で活用されています。

なお、Atom形式で作成されたフィードは、RSSリーダーでも問題なく読み込むことができるため、RSSと同様の感覚で扱える点もメリットです。フィード形式としての普遍性を持ちつつ、システム的な扱いやすさも兼ね備えている点が、Atomの大きな強みと言えるでしょう。

RSSとAtomフィードの書き方

RSSやAtomフィードは、Webサイトの更新情報を自動で配信するために使用されるXML形式のデータです。これらのフィードは、仕様に沿って手動で作成することも可能ですが、WordPressなどのCMSを利用している場合は、通常自動生成されるため特別な設定は不要です。

ここでは、代表的なフォーマットであるRSS1.0、RSS2.0、Atomフィードの記述例を紹介し、それぞれの構造の違いや記述のポイントを解説します。

RSS1.0のサンプル

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<rdf:RDF xmlns="http://purl.org/rss/1.0/"
xmlns:rdf="http://www.w3.org/1999/02/22-rdf-syntax-ns#"
xmlns:dc="http://purl.org/dc/elements/1.1/"
xmlns:content="http://purl.org/rss/1.0/modules/content/"
xml:lang="ja">
<channel rdf:about="RSSのURL">
<title>RSSフィードのタイトル</title>
<link>Webサイトへのリンク</link>
<description>RSSフィードの説明文</description>
<dc:date>RSSの最終更新日時</dc:date>
<dc:language>ja</dc:language>
<items>
<rdf:Seq>
<rdf:li rdf:resource="記事AのURL" />
<rdf:li rdf:resource="記事BのURL" />
</rdf:Seq>
</items>
</channel>
<item rdf:about="記事AのURL">
<title>記事Aのタイトル</title>
<link>記事AのURL</link>
<description><![CDATA[記事Aの内容]]></description>
<dc:creator>記事Aの執筆者名</dc:creator>
<dc:date>記事Aの作成日時</dc:date>
</item>
<item rdf:about="記事BのURL">
<title>記事Bのタイトル</title>
<link>記事BのURL</link>
<description><![CDATA[記事Bの内容]]></description>
<dc:creator>記事Bの執筆者名</dc:creator>
<dc:date>記事Bの作成日時</dc:date>
</item>
</rdf:RDF>

このフォーマットでは、1〜6行目が固定的な定義部分となり、RSS1.0の仕様に基づく命名空間やエンコーディング情報が含まれています。8〜20行目では、サイト全体の情報と更新された記事のURL一覧を定義しています。22〜36行目で、個別の記事情報を記述します。

記事数が増える場合は、<rdf:li rdf:resource="" />を追記して対応可能です。

RSS2.0のサンプル

<?xml version='1.0' encoding='UTF-8'?>
<rss version='2.0'>
<channel>
<title>RSSフィードのタイトル</title>
<link> Webサイトへのリンク</link>
<description>RSSフィードの説明文</description>
<item>
<title>記事Aのタイトル</title>
<link>記事AのURL</link>
<description>記事Aの内容</description>
<pubDate>記事Aの作成日時</pubDate>
</item>
<item>
<title>記事Bのタイトル</title>
<link>記事BのURL</link>
<description>記事Bの内容</description>
<pubDate>記事Bの作成日時</pubDate>
</item>
</channel>
</rss>

RSS2.0は、RSS1.0と異なり、構造がシンプルでHTMLタグなどの表現も可能です。<channel>要素でサイト全体の情報を定義し、<item>要素で各記事の情報を記述します。

タグの書き方はHTMLに近く、RSS1.0よりも直感的に扱いやすいのが特徴です。

Atomのサンプル

<?xml version='1.0' encoding='UTF-8'?>
<feed xmlns='http://www.w3.org/2005/Atom' xml:lang='ja'>
<id>tag:ATOMid</id>
<updated>更新日時</updated>
<title type="text">Atomフィードのタイトル</title>
<subtitle type="html">Atomフィードの説明文</subtitle>
<author>
<name>名前</name>
<email>問い合わせ先メールアドレス</email>
</author>
<entry>
<id>ATOMid</id>
<published>作成日時</published>
<updated>更新日時</updated>
<title type="text">記事Aのタイトル</title>
<content type="html">記事Aの内容</content>
<author>
<name>執筆者</name>
<email>連絡先メールアドレス</email>
</author>
</entry>
<entry>
<id>ATOMid</id>
<published>作成日時</published>
<updated>更新日時</updated>
<title type="text">記事Bのタイトル</title>
<content type="html">記事Bの内容</content>
<author>
<name>執筆者</name>
<email>連絡先メールアドレス</email>
</author>
</entry>
</feed>

Atom形式のフィードでは、<feed>タグを起点に、配信者情報・記事リスト・各エントリ内容を記述します。<content>タグのtype="html"属性を指定すれば、文字装飾などのスタイルを反映できます。

また、RSSにはない<subtitle>や<author>の詳細記述も可能で、より細かな情報設計ができる点も魅力です。

Atomも読めるおすすめのRSSリーダー

RSSやAtomフィードを活用するためには、更新情報を受け取るRSSリーダーの導入が欠かせません。近年は、Atom形式にも対応した多機能なRSSリーダーが増えており、Webサイトやブログの効率的なチェックに役立ちます。ここでは、Atom形式のフィードも問題なく読み込めるおすすめのRSSリーダーを紹介します。

Feedly

Feedlyサイトの画像

Feedlyは、世界中で広く利用されているホスティング型のRSSリーダーです。PCはもちろん、iOS・Androidアプリにも対応しており、外出先からでも簡単にRSSやAtomの最新情報をチェックできます。

GoogleアカウントやApple IDなどを使って簡単にログインできるため、導入のハードルが低く、初心者にもおすすめです。XやYouTube、Podcastなどのコンテンツにも対応しており、さまざまな情報源を一括管理できるのが特徴です。

また、フィードをカテゴリー分けしたり、記事の表示スタイルをカスタマイズできたりと、UIの柔軟性も魅力です。無料プランでも十分使えますが、Proプランでは検索機能やフィルタ、連携機能などが強化され、情報収集の効率がさらに高まります。

Inoreader

Inoreaderサイトの画像

Inoreaderは、多機能でプロフェッショナル志向のRSSリーダーとして知られています。Atomフィードにも対応しており、テクノロジー系のブログやニュースメディアなど、幅広い用途で活躍します。

ログインはメールアドレスのほか、Google・Facebook・Apple IDでも可能です。PC・スマホ両対応で、デバイスを問わず活用できます。

特に便利なのがフィード自動検出機能で、RSSアイコンがないWebサイトでも、URLを入力するだけでフィードが見つかります。また、DropboxやXなど外部サービスとの連携機能も充実しています。

日本語にも対応しており、初心者から上級者まで使いやすいRSSリーダーです。

Feeder

Feederサイトの画像

Feederは、シンプルな操作性とモバイル対応が魅力のRSSリーダーです。Atom形式のフィードにも対応しており、iOS・Androidアプリからも快適に利用できます。

初心者向けにジャンル別のおすすめフィードを紹介してくれる機能があり、どのRSSを登録すべきかわからないという方でも、興味のある情報に出会いやすくなっています。

無料版ではRSSの取得間隔が2時間ごとに制限されていますが、有料版にアップグレードすることで1分間隔の更新チェックや広告非表示が可能です。また、ビジネス版ではグループ共有やフォルダ管理など、チーム利用にも対応しています。

直感的なUIと高い拡張性を兼ね備えたFeederは、個人利用だけでなく企業の情報共有ツールとしても活用できる汎用性の高いRSSリーダーです。

RSSとAtomのまとめ

RSSとAtomは、Webサイトの更新情報を自動で取得するために使われる代表的な配信フォーマットです。仕組みや構造に違いはあるものの、どちらも効率よく情報を受け取るための手段として活用されています。

RSSには、シンプルな構造のRSS1.0と、装飾やリンクも含められるRSS2.0があり、それぞれ特徴があります。一方、Atomはより柔軟でシンプルな設計が特徴で、編集や公開の機能を併せ持っている点が大きな違いです。

どちらを選ぶかは用途によって異なりますが、いずれも正しく理解して使うことで、日々の情報収集をよりスムーズに行えるようになります。RSS/Atomに対応したリーダーを活用すれば、複数サイトの更新情報を一元管理でき、業務の効率化にもつながります。

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