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SEOポイズニングとは?仕組みや対策方法、事例を紹介

SEOポイズニングとは検索結果を悪用してユーザーを悪質なサイトへ誘導する攻撃手法の一つです。気付かないうちに被害にあったり加害者になってしまうリスクもあるため正しい知識と対策が求められます。

このページではSEOポイズニングの仕組みや事例を紹介して、対策方法や見分け方について解説します。

SEOポイズニングの基本情報

SEOポイズニングとは、検索エンジンの仕組みを悪用して、検索結果に不正なWebページを表示させ、ユーザーをウイルス感染や詐欺サイトに誘導する攻撃手法のことを指します。検索エンジン最適化の技術を逆手に取り、ユーザーが安心してアクセスしやすいように見せかけた悪質なページを検索結果に混在させる点が特徴です。

また、攻撃者は実在する企業やサービスの情報を盗用するケースも多く、見た目だけでは判断が難しいのもSEOポイズニングの厄介な点です。

このような攻撃は、個人ユーザーだけでなく企業のWebサイトにも被害を及ぼす可能性があります。たとえば、意図せず加害者にされてしまうことで、検索順位が下がったり、信頼性を損ねるリスクがあります。

SEOポイズニングの仕組みや対策を知っておくことは、Webサイトの安全性を保つ上で重要なポイントです。

SEOポイズニングの仕組み

SEOポイズニングは、検索結果を操作してユーザーを悪質なページへ誘導する攻撃です。ここでは、攻撃がどのような流れで実行されるのかの仕組みを紹介します。

キーワードを選定する

攻撃者はまず、検索ボリュームが多く、ユーザーが信頼してアクセスしやすいキーワードを選定します。特に、医療、金融、行政サービス、セキュリティなど、ユーザーの不安や緊急性に訴えるテーマは狙われやすい傾向にあります。また、トレンド性の高い話題や話題の商品名などもターゲットになります。

これにより、検索結果からの誘導率を高め、悪意があるページにより多くのユーザーを集める土台を作ります。

攻撃者が該当ページにSEO対策を行う

選定したキーワードに対して、攻撃者は意図的にSEO施策を行い、不正なページを検索結果の上位に表示させます。代表的な手法としては、キーワードスタッフィング、クローキング、リンクネットワークなどがあります。

これらのテクニックは、本来のSEOとは異なる悪質な操作であり、一見して正常なサイトに見えるよう巧妙に設計されています。

ウィルス感染や詐欺サイトへのリダイレクト

上位表示されたページにアクセスしたユーザーは、マルウェアに感染させられたり、詐欺サイトへと自動的にリダイレクトされる危険性があります。たとえば、偽のウイルス警告を表示して不要なソフトをインストールさせる、偽のログイン画面で個人情報を盗み取るといった事例が挙げられます。

これらはページ自体に直接悪意がある場合もあれば、外部スクリプトや広告ネットワークを経由して行われる場合もあり、ユーザー側では被害の兆候に気付きにくいのが特徴です。

正規サイトが乗っ取られる

SEOポイズニングでは、攻撃者がゼロから不正なサイトを制作するだけでなく、既存のWebサイトを乗っ取って悪用するケースもあります。たとえば、脆弱なCMSや古いプラグインを利用しているサイトは、攻撃者に侵入されやすく、知らない間に内部のHTMLが書き換えられたり、悪質なスクリプトが埋め込まれたりします。

その結果、サイト運営者自身は気付かないまま、検索エンジン経由で訪れたユーザーを別の詐欺サイトに転送してしまったり、マルウェアを配布する中継点となってしまう危険性があります。

サイトの信頼性が損なわれるだけでなく、検索順位の大幅な低下やインデックス削除の対象になることもあるため、運営者にとって大きなリスクです。

SEOポイズニングに関するGoogleの対策

SEOポイズニングのような悪質な検索スパムに対して、Googleは独自の検出システムを使って対策を講じています。検索結果を信頼できるものに保つために、スパムコンテンツや不正なSEO施策が施されたページを自動的に検出し、検索順位を大幅に下げたり、インデックスから除外したりといった対応が行われます。

Googleはアルゴリズムを定期的にアップデートし、SEOポイズニングのような巧妙な手口にも対応できるよう調整を重ねています。その結果、一般的な検索利用の範囲では、明らかに不正なサイトが上位に表示されるケースは減少しています。

とはいえ、検索エンジンの仕組みだけでは防ぎきれない側面もあるため、サイト運営者にもセキュリティ対策が求められます。たとえば、Webサイトが乗っ取られ、知らないうちに加害者の一部になってしまうケースでは、Googleによってペナルティを受け、検索順位が急落するリスクもあります。

このような事態を防ぐには、運営者自身が定期的にサイトの状況を確認し、サーチコンソールを活用して異常がないかを監視することが重要です。また、ユーザーにとっても、検索結果の安全性に過信せず、クリック先のURLや表示内容に違和感がないかを見極める力が求められます。

Googleの対策は非常に高度ではありますが、それだけに頼らず、運営者とユーザーの両方が正しい知識と意識を持つことが、被害を防ぐ鍵となります。

SEOポイズニングの見分け方

SEOポイズニングの被害にあわないためには、不審なWebサイトを見分ける力が必要です。以下のような特徴に注意することで、リスクのあるページを早期に察知しやすくなります。

誤字脱字が多い

SEOポイズニングを行うページは、文章が自動生成されていることが多く、誤字脱字が目立つ場合があります。

内容に一貫性がなかったり、不自然な日本語が含まれている場合は要注意です。また、文法が崩れていたり、単語の使い方に違和感がある場合も、信頼できないページの可能性があります。

粗い画像を利用していることが多い

画像の解像度が極端に低かったり、画質が荒く見えるページは、不正サイトである可能性があります。

SEOポイズニングに利用されるサイトは、信頼性よりも検索順位を上げることが目的のため、ビジュアル面にまで十分な手間がかけられていないことが多いです。また、画像のサイズが不揃いであったり、レイアウトが崩れている場合も要注意です。

https化を行っていない

現在、多くの正規サイトはSSL証明書を導入し、URLがhttpsで始まるようになっています。

SEOポイズニングによる不正サイトの中には、httpsに対応していないページも存在します。アドレスバーに鍵マークが表示されない、あるいは、保護されていない通信と出るようなサイトには、個人情報を入力しないようにしましょう。

不自然なリンクが多い

本文中に大量の外部リンクが埋め込まれていたり、関係のないジャンルへのリンクが混在している場合、そのページは不正目的で構成されている可能性があります。

特に、医薬品・ギャンブル・出会い系といった分野への誘導が目立つ場合は警戒が必要です。また、リンクのアンカーテキストが過剰に最適化されている場合も、スパムの傾向が見られます。

ページに広告が多い

過剰に広告が表示されているページも注意が必要です。

バナーやポップアップが画面を覆って閲覧を妨げるような構成は、ユーザーよりも収益目的を優先している傾向があり、詐欺やマルウェアに誘導される危険性も高まります。ページの読み込みが極端に遅い場合や、広告クリックで意図しないサイトへ飛ばされる場合もリスクがあります。

SEOポイズニングの事例

ここでは、実際に確認されているSEOポイズニングの手口について紹介します。特に医療分野やECサイトなどで多く報告されており、身近なサービスが悪用されるケースもあります。

偽のソフトウェアを配布

SEOポイズニングの手法のひとつとして、偽のセキュリティソフトやシステム修復ツールを配布するケースが見られます。

攻撃者は、検索ユーザーが不安を感じやすいキーワードで上位表示を狙い、偽のダウンロードサイトへ誘導します。ダウンロードされたファイルには、マルウェアやスパイウェアなどが仕込まれており、ユーザーのパソコンが乗っ取られる、情報が抜き取られるといった被害につながります。

特に、デザインが本物そっくりのページが使われるため、見分けがつきにくい点が問題です。

偽のECサイトへの誘導

特定の商品名や最安値などで検索したユーザーを、偽のショッピングサイトへ誘導する事例も存在します。

このタイプのSEOポイズニングでは、あたかも本物のECサイトであるかのように見せかけて、クレジットカード情報や住所などの個人情報を不正に取得することが目的です。商品が実際には発送されない、または粗悪なコピー品が届くといったトラブルが多く、被害者は泣き寝入りするケースも少なくありません。

ドメイン名やページ構成が本物と酷似している場合もあるため、見極めが非常に難しいのが特徴です。

間違えた医療情報を公開

特に医療分野では、SEOポイズニングによって偽の医療情報や治療法を掲載したページが検索上位に表示されることがあります。

例えば、重大な疾患に対して誤った薬品や民間療法を推奨するページが作られ、それを信じてしまったユーザーが健康被害を受けるリスクがあります。このようなページの目的は、情報操作や詐欺だけでなく、アフィリエイト収益の獲得である場合もあります。

医療のように人命に関わる情報でさえ悪用されている現実があるため特に注意が必要です。

SEOポイズニングから身を守る対策方法

SEOポイズニングの被害にあわないためには、日頃から注意すべきポイントを押さえておくことが重要です。以下のような行動を意識することで、リスクを大きく下げることができます。

情報の信頼性を意識する

検索結果に表示された情報がすべて正しいとは限りません。

特に、医療や金融、セキュリティなどのジャンルでは、内容の正確さが重要になります。表示されている情報が信頼できる出典や専門機関に基づいているかを確認し、内容が極端に断定的だったり、根拠が示されていない場合は慎重に判断しましょう。

情報の真偽を複数のソースで照らし合わせる癖をつけることも有効です。

安全なサイトかを確認する

アクセスしようとしているサイトが安全かどうかは、ブラウザのアドレスバーやセキュリティ警告などで確認することができます。

たとえば、保護されていない通信やこの接続ではプライバシーが保護されませんといった表示が出るサイトは、アクセスを控えた方が良いでしょう。また、ドメイン名が不自然に長い、意味不明な文字列が含まれているといったケースも警戒すべきポイントです。

お気に入りから訪問する

よく利用するWebサイトについては、検索結果からアクセスするのではなく、ブラウザのお気に入りやブックマークを利用することで、安全性を高めることができます。

検索結果には類似ドメインや偽装されたページが表示されることもあるため、特にログインが必要なサービスや決済を伴うサイトでは、URLを毎回確認するよりも信頼できる保存先からアクセスする方が安心です。

セキュリティソフトを導入する

日常的に使用するパソコンやスマートフォンには、セキュリティ対策ソフトを導入しましょう。

マルウェアの検出や不審なWebサイトへのアクセスをブロックする機能が搭載されており、万が一危険なページにアクセスしてしまっても、被害を未然に防げる可能性があります。また、定期的なウイルススキャンを行うことで、システム内の異常に早期に気付くこともできます。

サイト運営者がSEOポイズニングの加害者にならないための対策方法

知らないうちに自社サイトが乗っ取られ、SEOポイズニングに加担してしまうケースもあります。ここでは、加害者にならないために運営者がとるべき基本的な対策を紹介します。

Webサイトのセキュリティを強化する

まず基本となるのは、WebサーバーやCMSのセキュリティを定期的に見直すことです。

WordPressなどのCMSを使用している場合、テーマやプラグインの脆弱性を突かれて改ざんされることがあります。不要なプラグインは削除し、残すものも常に最新版にアップデートするよう心がけましょう。

また、WAFなどのセキュリティツールを導入することで、外部からの不正アクセスをブロックする体制を整えることも有効です。小規模なサイトであっても標的にされることがあるため、セキュリティは軽視せず、早めに対策を講じることが重要です。

管理者IDやパスワードを定期的に変更する

管理画面への不正アクセスを防ぐためには、IDとパスワードの管理も徹底する必要があります。

推測されやすいIDや使い回しのパスワードは避け、英数字や記号を組み合わせた複雑なパスワードを設定しましょう。また、アクセス制限をかける、二段階認証を導入するといった追加のセキュリティ手段もおすすめです。

これにより、万が一IDやパスワードが漏洩した場合でも、不正ログインを防止できる確率が高まります。

改ざんされた箇所がないかを定期的にチェックする

日常的に自社サイトの状態を確認する習慣を持つことも大切です。

定期的にサーチコンソールやアクセスログを確認し、不自然なアクセスやリダイレクトが発生していないかをチェックしましょう。また、ページのソースコードを確認する、不要なファイルがアップロードされていないかを調べるといった対応も有効です。

小さな改ざんやリンクの挿入が見逃されがちですが、これがSEOポイズニングの入口になることもあるため、定期点検をルーティン化することが加害者にならないための鍵となります。

SEOポイズニングのまとめ

SEOポイズニングは、検索エンジンの信頼性を逆手に取った悪質な攻撃手法です。検索結果から誘導されたユーザーが被害にあうだけでなく、Webサイト運営者が意図せず加害者となってしまうリスクもあります。

今回紹介したように、SEOポイズニングには一定のパターンや兆候があります。

検索ユーザーとしては、不審なページに注意し、正しい情報や安全なサイトを見極める意識を持つことが大切です。一方、運営者側は日常的なセキュリティ対策を徹底し、自社サイトが悪用されないように管理していく必要があります。

SEOポイズニングの仕組みと対策を理解し、日々の行動に活かすことが、被害を未然に防ぐ第一歩となります。

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