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ショッピングカートとは?ホームページに必要な機能と作り方
ネットショップを始めたいと考えたときに、必ず出てくるのがショッピングカート機能という言葉です。商品を選んで購入につなげるために必要なこの機能は、ただカートに入れるだけのものではありません。ユーザーがスムーズに買い物できる導線や、管理側の作業効率を高める工夫など、さまざまな仕組みが関係しています。
このページでは、ホームページにショッピングカートをつけたい方や、カート機能の作り方がわからない方に向けて、その仕組みや必要な機能を紹介します。
目次
ショッピングカートとは
ショッピングカートとは、ネットショップにおいて、ユーザーが選んだ商品を購入手続きまで進めるために使うWeb上の仕組みのことです。
気になる商品を一時的に保留しておき、後でまとめて注文することができるため、スムーズな買い物体験を実現するうえで欠かせない存在となっています。ユーザーは、複数の商品を比較しながらカートに追加し、必要な数量やバリエーションを調整したうえで、注文へと進みます。
このようにショッピングカートは、購入までの一連の流れの中で、ユーザーの意思決定をサポートする重要な役割を担っています。
さらに、カートに商品が残ることで、あとからサイトを訪れた際にもスムーズに買い物を再開できるといった特徴もあり、利便性の高い仕組みとして多くのネットショップに導入されています。
ショッピングカートに必要な機能(ホームページ側)
ショッピングカートをホームページに導入する際に、ユーザーがスムーズに購入まで進められる機能が揃っていることが重要です。ここでは、カート機能を作るうえで必要となる、ホームページ側の機能を解説します。
商品を買い物かごに入れれる
商品を買い物かごに入れる機能はショッピングカートの基本です。
ユーザーが気になった商品を、すぐにカートへ追加できる仕組みがあることで、購入行動をスムーズに進められます。ボタンの位置や大きさ、動作の速さなど、操作性にも配慮することで、ユーザー体験の向上と離脱防止につながります。
購入までのフローを打ち出す
ショッピングカート内で、購入完了までの流れが明確に表示されていることは非常に重要です。
カートの確認→配送情報の入力→支払い方法の選択→確認→完了といったステップを視覚的に示すことで、ユーザーの迷いや不安を減らし、スムーズな購入を促します。
さらに、現在どのステップにいるのかを視覚的に示す工夫も効果的です。一般的には、今いるステップだけに色をつけ、それ以外はグレーや白で表示するなど、進行状況がひと目でわかるデザインが採用されます。
カート保存機能
カート保存機能は、ユーザーが途中で買い物を中断しても、カートの中身を保持しておける仕組みです。
特に他サイトと商品や価格を比較しながら検討するユーザーにとって、この機能は重要な役割を果たします。カートに入れた内容が保持されていれば、再訪時に一から選び直す必要がなくなり、購入までのハードルを下げることができます。
個数やカラーの選択機能
ユーザーが商品を購入する際に、個数・カラー・サイズなどを自由に選べる機能は欠かせません。
たとえば、同じTシャツでもMサイズ・白を2枚、Lサイズ・黒を1枚といったように、ニーズに合わせた選択ができることで、満足度が大きく変わります。
また、選択肢の表示は視覚的にわかりやすいことが重要です。プルダウンではなく、ボタンやカラーチップで選べるようにするなど、ひと目で判断しやすい設計が求められます。
さらに、リアルタイムで在庫状況と連動していると、購入の安心感が増します。残りわずかや在庫切れがすぐにわかる表示によって、ユーザーの判断がしやすくなり、無駄なストレスを防ぐことにつながります。
オプションの選択機能
ギフト包装の有無、付属パーツの有無、名入れなど、商品に対して追加オプションを選べる仕組みは、ユーザーの細かな要望に応えるうえで役立ちます。
とくに、贈答用やカスタマイズ製品を扱うショップでは、オプション選択の自由度が売上に直結します。
不正購入対策
ショッピングカートには、不正アクセスや不審な注文からショップを守る対策も求められます。
代表的な対策としては、不正なクレジットカードの利用検知、ボットによる自動注文の防止、SSL対応による通信の暗号化などがあり、信頼性を高めるための重要な要素です。
レコメンド機能
カートに追加された商品や、閲覧履歴に基づいて関連商品を提案するのがレコメンド機能です。
ユーザーのついで買いや買い忘れ防止を促進し、客単価の向上が見込めます。この商品を見た人はこんな商品も購入していますといった表示が典型的な例です。
豊富な決済方法
クレジットカードだけでなく、コンビニ払い、銀行振込、電子マネー、後払い決済など、幅広い支払い方法に対応したショッピングカートは、ユーザーの利便性を高めます。
決済手段が限られていると、購入を断念される可能性もあるため、対応範囲を広げることが重要です。
会員登録機能
ユーザーがアカウントを作成できる機能は、リピーター獲得や顧客管理の観点でも有用です。
登録された情報をもとに、次回以降の注文時の入力の手間を省けるほか、購入履歴の確認やポイント利用などのサービス展開も可能になります。
マイページ機能
マイページでは、会員登録したユーザーが自分の注文履歴、配送状況、登録情報などを確認・変更できます。
利便性が高まるだけでなく、ポイント残高やクーポン情報の表示などによって、ユーザーの再訪とリピート購入を促すことにつながります。
ショッピングカートに必要な機能(管理画面側)
ショッピングカートはユーザー向けの見た目や操作性だけでなく、運営者が日々の管理を効率よく行うための機能も重要です。ここでは、管理画面側で備えておくべき基本機能を紹介します。
顧客管理機能
顧客管理機能は、会員登録を行ったユーザーの情報を一覧・検索・編集できる仕組みです。
購入履歴や配送先、メールアドレスなどの情報を一元的に確認できるため、問い合わせ対応をスムーズに行えるほか、リピート購入を促す施策にも活用できます。さらに、顧客ごとの購入傾向を把握することで、ターゲットを絞ったマーケティング戦略の立案にもつながります。
商品管理機能
商品管理機能は、ネットショップで取り扱う商品の情報を追加・編集・削除するための基本機能です。
商品名、価格、在庫数、カテゴリ、画像などを一括で管理でき、ショップ内の整理整頓や更新作業をスムーズに行えます。特に商品点数が多いショップでは、操作性と見やすさの両立が求められます。
売上管理機能
売上管理機能では、日別・月別・商品別など、さまざまな軸で売上データを確認・分析ができます。
ショッピングカート内での取引情報がリアルタイムで反映されることで、経営状況が把握しやすくなります。売れ筋商品の傾向や、キャンペーンの効果測定にも活用できるため、運営の意思決定を支える重要な機能です。
請求書の発行機能
請求書の発行機能は、法人顧客や後払い対応が必要な取引において役立つ管理機能です。
購入内容や金額、顧客情報をもとに、ショッピングカート内から自動的に請求書を作成できる仕組みがあれば、作業負担を大幅に軽減できます。PDF形式での出力や、メール送信機能を備えているとさらに便利です。
ショッピングカートの作り方
ショッピングカートの導入方法は一つではなく、目的や予算、開発スキルによって選択肢が変わります。ここでは、主な構築方法を紹介します。
ASPサービスへのリンク
もっとも簡単にショッピングカート機能を導入する方法が、ASP型のネットショップサービスを利用し、自社ホームページから商品ページやカートページへリンクを貼る方法です。
たとえば、BASEやSTORESなどでネットショップを開設し、その商品URLを自社ホームページに掲載するだけで、すぐに販売を始められます。カート機能や決済まわりはASP側で完結するため、Web制作やシステムの知識がなくても安心です。
ホームページにカートをつけたいけれど、自分で構築するのは難しいという方にとって、導入しやすい選択肢といえるでしょう。
APIでデータ連携
より高度な構築方法として、ショッピングカートの機能だけを外部サービスからAPIで連携する方法があります。自社のWebデザインや構成をそのまま活かしながら、在庫管理や決済処理などの一部を外部システムと連動できるため、柔軟なカスタマイズや業務効率化が可能です。
たとえば、オリジナルのECサイトに対して、外部の在庫システムや決済ゲートウェイとAPIでリアルタイム連携させることで、機能の自由度を保ちながら効率的な運用を実現できます。開発にはエンジニアの関与が必要となるため、中〜上級者向けの方法です。
フルスクラッチ開発
完全にオリジナルの仕様でショッピングカートを構築したい場合は、フルスクラッチ開発という選択肢もあります。要件に合わせて一から設計・実装を行うため、デザインや機能に制限がなく、独自性の高いECサイトを実現できます。既存サービスでは対応できない複雑なロジックや運用にも柔軟に対応できます。
ただし、開発コストと期間は最も大きくなり、セキュリティ対策や保守もすべて自社で対応する必要があります。中〜大規模のECサイトや長期的な運用を前提とする場合に検討されるケースが多いです。
ショッピングカート機能つきのホームページ制作方法
ショッピングカートをホームページに組み込みたい場合、目的や予算に応じた制作方法を選ぶことが重要です。ここでは、実現できる手段として代表的な方法を紹介します。
ASPサービスの利用
手軽にショッピングカート機能を導入したい場合は、ASP型ネットショップサービスを活用して、ECサイトを作成する方法が便利です。
BASEやSTORESなどのサービスでは、テンプレートを選ぶだけでショップ全体が完成するため、HTMLやCSSの知識がなくても始められます。また、これらのサービスは、すでにカート機能・決済機能・セキュリティ対策などが一式揃っているのが特徴です。
オリジナルのホームページが不要なケースや、初めてネットショップを運営する方に向いています。
WordPressのデザインテーマの購入
WordPressで制作したホームページにショッピングカート機能を追加する場合、EC対応のテーマやプラグインを導入する方法があります。
特にWelcartやWooCommerceなどのプラグインを使えば、WordPress上でも本格的なネットショップを展開できます。テーマと組み合わせることで、デザインや操作性にもこだわることができるため、カート機能を自由にカスタマイズしたい方におすすめです。
ただし、セキュリティやメンテナンスの管理も必要になるため、ある程度の知識が求められます。
ホームページ制作会社に依頼
既存のテンプレートやサービスでは実現できない要件がある場合は、制作会社に依頼してオリジナルのホームページとショッピングカートを構築する方法が最も柔軟です。
業種や商品に合わせて、デザインやカート機能、決済システム、管理画面などを一から設計できるため、ブランドイメージの統一や機能要件の最適化が可能になります。制作コストはかかりますが、長期的な視点で運営していきたい方には最適な選択肢といえるでしょう。
ショッピングカートのFAQ
ショッピングカートの導入を検討する中で、よくある疑問や不安を持つ方も少なくありません。ここでは、導入に関する代表的な質問とその答えを紹介します。
無料で導入する方法はありますか?
ショッピングカート機能を無料で導入できる方法はいくつか存在しています。たとえば、BASEやSTORESなどのASP型ネットショップサービスは、無料プランを提供しており、初期費用・月額費用ゼロでネットショップを開設することが可能です。
カート機能も標準で搭載されており、簡単な操作で商品登録や販売をスタートできます。ただし、取引ごとに販売手数料が発生するケースが多いため、無料とはいえ、ランニングコストや機能制限の確認が重要です。
コストを抑えつつ手軽に始めたい方に適した選択肢といえるでしょう。
カート機能をホームページに埋め込むことができますか?
ショッピングカート機能をホームページに埋め込むことは可能です。多くのASP型ショッピングカートサービスでは、カートに入れるボタンや購入フォームなどをHTMLコードとして提供しており、自社のWebページ内に直接貼り付けて表示することができます。
この方法を使えば、ユーザーは別のページに遷移せず、ホームページ内でそのまま商品をカートに追加する操作ができるようになります。デザインの一体感を保ちながら、購入までの導線をスムーズにできるため、離脱を防ぎたい場合に有効な手段です。
ただし、サービスによって埋め込みの可否や表示形式が異なるため、対応状況を確認することが重要です。
ショッピングカートのまとめ
ショッピングカートは、ネットショップ運営に欠かせない重要な仕組みです。
ユーザーが快適に買い物できるよう、ホームページにあるカート機能の充実や導入方法を選定することがポイントになります。カート機能の作り方には、無料で導入できるASPサービスの活用や、フルスクラッチ開発など、目的に応じた選択肢があります。
カートの構築を検討している方は、機能と運用面のバランスを見ながら、自分に合った方法を選びましょう。
また、当社のお客様で、物流倉庫の移転や管理業務の効率化を目指してEC物流代行サービスのオープンロジを活用された企業があり、非常に高い効果を実感されたとのお声をいただいています。ショッピングカートを効率的に運用したい方は、ぜひこちらのホームページもご覧ください。