Webサイトが重い原因とは?読み込み速度を改善する方法
Webサイトの表示に時間がかかる状態は、ユーザーにとって大きなストレスとなります。スマホやPCからアクセスしてもなかなか開かないページは、閲覧を途中でやめてしまう原因にもなりかねません。
このページでは、Webサイトが重くなる主な原因と、その改善方法について紹介します。
Webサイトが重いことで起きる問題
表示速度が遅いWebサイトは、ユーザーに不便さを感じさせるだけでなく、運営側にもさまざまな悪影響を与えることがあります。ここでは代表的な2つの問題について解説します。
ユーザビリティが低下する
Webサイトの読み込みが遅いと、ユーザーはページが表示される前に離脱してしまう可能性があります。とくにスマホなどのモバイル端末でアクセスしている場合、数秒の遅れでもストレスを感じやすくなります。
ユーザーが目的の情報にスムーズにたどり着けなければ、サイト全体の信頼性や印象も損なわれかねません。結果として、再訪問率の低下やコンバージョン率の悪化といった問題につながります。
SEO効果が落ちる
検索エンジンは、ユーザー体験を重視した評価を行っており、その中でもページの表示速度は重要な指標の一つです。サイトが重い状態が続くと、クローラーの巡回効率が下がり、インデックスの遅延や評価の低下につながることがあります。
特にモバイルファーストインデックスが標準となった現在では、スマホ表示での読み込み速度が遅いと、検索順位に直接影響を及ぼす可能性もあります。結果として、検索からの流入が減り、集客面で不利になります。
Webサイトが重い原因
Webサイトの表示が遅くなる要因はさまざまですが、主にコンテンツの構成や環境面に問題があるケースが多く見られます。ここでは代表的な原因を紹介します。
画像や動画の容量が大きい
Webサイトに使用する画像や動画のファイルサイズが大きすぎると、読み込みに時間がかかり、表示速度が著しく低下する原因となります。とくにスマホなどのモバイル環境では、通信速度やデータ容量に制限があるため、ページがなかなか表示されず、離脱の原因になることもあります。
高解像度の素材をそのまま使っていたり、必要以上に大きなサイズでアップロードしているケースは、特に注意が必要です。サイト全体の表示速度を左右する大きな要因のひとつといえます。
HTMLやCSSの最適化がされていない
HTMLやCSSに不要な記述が多く残っていると、ページの読み込み時にブラウザが処理すべき情報が増えてしまい、表示に時間がかかる原因となります。
特に、インラインスタイルの多用や冗長なセレクタ、重複したCSSなどが蓄積されている状態では、コードの構造が複雑化し、パフォーマンスに悪影響を及ぼすことがあります。
サーバーの性能が足りていない
レンタルサーバーの処理能力が低いと、アクセスが増えた際にレスポンスが追いつかず、ページの表示が遅くなることがあります。とくに共有サーバーでは、他のサイトとリソースを分け合っているため、同時アクセスが発生すると表示速度が不安定になりやすい傾向があります。
アクセス集中によってタイムアウトや読み込み遅延が起きるケースも見られ、Webサイト全体のパフォーマンスに影響を及ぼします。
利用者の通信環境が不安定
Webサイト側に問題がなくても、ユーザー自身の通信環境が不安定な場合には、表示速度に影響が出ることがあります。モバイル回線の電波が弱い場所や、混雑したWi-Fiに接続していると、読み込みに時間がかかりやすくなります。
特にスマートフォンからアクセスする場合、通信状況によっては一時的にページが表示されないといったケースも考えられます。
古いスマホやPCを使っている
ユーザーの端末が古い機種だったり、処理性能が低い場合は、Webサイトの表示に時間がかかることがあります。特に、JavaScriptやアニメーション、動画などの動的コンテンツを多く含むページでは、端末側での処理が追いつかず、画面がカクついたり動作が不安定になることがあります。
このような環境では、ページの読み込み自体が遅く感じられることが少なくありません。
Webサイトの読み込み速度を改善する方法
Webサイトの表示を速くするためには、さまざまな技術的な工夫や設定が必要です。ここでは、比較的取り組みやすく、効果が期待できる改善方法を紹介します。
画像や動画は圧縮して軽量化する
画像や動画はWebサイトの中でも特にデータ容量が大きく、読み込み速度に大きな影響を与える要素です。
高解像度の画像や無圧縮の動画をそのまま使用すると、ユーザーの環境によっては表示に時間がかかってしまいます。Web向けに圧縮することで、品質を保ちつつ容量を削減できるため、表示速度の改善につながります。
画像形式の見直しや圧縮ツールの活用も有効です。
遅延読み込みを取り入れる
遅延読み込みは、画面が表示されるタイミングで画像や動画などの要素を読み込む仕組みです。
ページ全体を一度に読み込まないため、ファーストビューの表示速度を速くでき、ユーザーが離脱する前にコンテンツを表示しやすくなります。とくに画像が多いページでは効果が大きく、必要な分だけ読み込むことで、無駄な通信を減らすことが可能です。
JavaScriptやCSSはできるだけ軽くする
JavaScriptやCSSファイルの容量が大きいと、読み込みや描画に時間がかかってしまいます。
不要なコードの削除や、コードを圧縮することで転送量を減らし、ページの表示スピードを向上させることができます。また、外部ファイルとしてまとめることでHTTPリクエストの回数を減らす工夫も効果的です。
使っていない機能が含まれていないかも定期的に確認すると良いでしょう。
使っていないプラグインやスクリプトは削除する
CMSを使ったサイトでは、必要のないプラグインやスクリプトが読み込まれていることがあります。
これらは表示に直接関係ない処理でも、読み込み速度に悪影響を与えることがあります。とくにWordPressなどでは、停止していても読み込まれてしまうケースもあるため、不要なものは削除しておくのが理想です。
軽量な構成にすることで、全体のパフォーマンス向上につながります。
サーバーの応答時間を見直す
Webサーバーの応答速度が遅いと、ユーザーのブラウザが表示を開始するまでに時間がかかってしまいます。
応答時間が長いと感じた場合は、サーバーの負荷状況や設定の見直しが必要かもしれません。共有サーバーで多くのサイトとリソースを共有している場合、混雑時に遅延が生じることがあります。
応答速度はGoogleのPageSpeed Insightsなどでも確認できるため、定期的なチェックが推奨されます。
ブラウザキャッシュを使う
ブラウザキャッシュを利用することで、ユーザーが一度アクセスした後の再訪問時に、同じファイルを再ダウンロードせずに表示できるようになります。
これにより、ページの表示が格段に速くなり、サーバー側の負荷も軽減されます。キャッシュの有効期限や対象ファイルの設定は、.htaccessファイルやCMSの設定から行うことが可能です。継続的な改善には欠かせない施策のひとつです。
CDNを使って素早く届ける
CDNは、世界各地のサーバーにコンテンツを分散して配置する仕組みです。
ユーザーに最も近いサーバーからデータを配信することで、読み込み速度を高速化できます。特にアクセスが集中しやすいコンテンツや大規模なサイトでは、CDNの導入により安定した表示速度を維持しやすくなります。
無料プランが用意されているサービスもあるため導入のハードルは低くなっています。
Webサイトが重い原因を調査できるツール
表示速度が遅いと感じたときには、まずどこに問題があるのかを調べることが重要です。ここでは、Webサイトのパフォーマンスを分析できる代表的な無料ツールを紹介します。
PageSpeed Insights
Googleが提供するPageSpeed Insightsは、Webページの表示速度やパフォーマンスを評価する無料のオンラインツールです。
URLを入力するだけで、モバイルとデスクトップそれぞれのスコアを確認できるのが特徴です。表示速度の数値だけでなく、具体的な改善点も一覧で提示されるため、どこに手を入れればよいかが明確になります。
とくにLCPやCLSなどのコアウェブバイタル指標にも対応しており、SEO対策としても活用されています。
Lighthouse
Lighthouseは、Google Chromeのデベロッパーツールに組み込まれている分析ツールで、表示速度に加えてアクセシビリティやSEO、ベストプラクティスの観点からもWebサイトを評価してくれます。
拡張機能でも利用可能で、ブラウザ内で実行できるため、手軽に詳細な診断ができるのが魅力です。パフォーマンスの数値化はもちろん、改善すべきコードや読み込み順の問題など、開発者向けのアドバイスが得られるのも特徴です。
Gtmetrix
Gtmetrixは、読み込み速度を細かく分析できる海外の無料ツールです。ページ全体の表示パフォーマンスを評価し、スコアとともに各要素ごとの読み込み時間や負荷を可視化してくれます。
特にウォーターフォールチャートでは、HTMLやCSS、画像、JavaScriptなどのリソースがどのような順序で読み込まれているのかを視覚的に確認できます。Speed Visualization機能を使えば、ページが実際にどのように表示されるかを段階的に追うことも可能です。
ただし、表示は英語のみなので、読み解くにはある程度の知識が求められる点には注意が必要です。
まとめ:Webサイトが重いことは機会損失に繋がる
Webサイトの表示が遅い状態は、ユーザーの利便性を損なうだけでなく、ビジネスの成果にも悪影響を与える可能性があります。
ページの読み込みに時間がかかれば、訪問者はすぐに離脱し、コンバージョンの機会を逃してしまうかもしれません。また、検索エンジンからの評価にも関わる要素のひとつであり、SEO面でも不利になることが考えられます。表示速度の問題は、原因を把握し、適切な対策を講じることで改善できます。
今回紹介したポイントを参考に、自社のWebサイトがどのような状況にあるか一度見直してみることをおすすめします。スピードの改善は、ユーザーの満足度向上や売上アップにもつながる重要な要素です。