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Webサイトのアニメーションとは?種類と作り方、参考サイトを紹介
Webサイトに動きを加えるアニメーションは、視覚的な印象を高めたり、ユーザーの操作を分かりやすくしたりするために活用される要素のひとつです。近年はデザイン性だけでなく、操作性やブランディングの観点からも注目されています。
この記事では、Webサイトでよく使われるアニメーションの種類や作り方、実際に参考になる事例までを紹介します。アニメーションのメリットとデメリットも踏まえて、取り入れるべきかを判断するためのヒントとしてご活用ください。
目次
Webサイトで利用されるアニメーションとは
近年のWebサイトでは、ユーザー体験の向上やブランドイメージの演出を目的として、アニメーションの活用が広がっています。マウス操作やスクロールに応じて動きが加わることで、コンテンツへの興味を高めたり、操作を直感的に分かりやすくしたりする効果が期待できます。
また、デザインの一部として動きを加えることで、視覚的に印象深いWebサイトを実現することも可能です。アニメーションの種類や使い方次第で、サイトの印象やユーザーの行動に大きく影響するため、目的に応じた選定と設計が重要になります。
Webサイトで使われるアニメーションの種類
Webサイトではさまざまな種類のアニメーションが使われており、それぞれに異なる特徴と目的があります。ここでは代表的なアニメーションの種類について紹介します。
トランジション
トランジションは、要素の表示・非表示や配置の変化をスムーズにつなげるアニメーション手法です。たとえば、ボタンの色が徐々に変わったり、画像のサイズが自然に拡大されたりする際に使われます。
CSSで実装できるため、細かな動きを加える際に多く利用されます。ページ遷移やセクションの切り替えで使うと、違和感のない動きでユーザーを誘導することができ、視覚的なストレスを減らす効果があります。
ホバーアニメーション
ホバーアニメーションは、マウスカーソルが特定の要素に重なると起こる動きです。ボタンの色変更や影の追加、画像の拡大、リンクのアンダーラインなど、視覚的にアクションを確認させる目的で使われます。
デザインに動きを取り入れながら、ユーザーインターフェースの使いやすさを高められる点が特徴です。クリックを促すためのアフォーダンスとしても効果があり、CTAボタンなどにも多用されます。
スクロールアニメーション
スクロールアニメーションは、ユーザーがページを下にスクロールする動作に連動して要素が動くアニメーションです。代表的な例としては、テキストや画像がフェードインしたり、横からスライドして現れたりする動きが挙げられます。
また、パララックス効果のように背景と前景が異なる速度で動く演出も、スクロールに連動したアニメーションのひとつです。視覚的に飽きさせず、次のコンテンツへの誘導に効果があります。
ローディングアニメーション
ローディングアニメーションは、ページの読み込み中にユーザーを待たせる間のストレスを軽減する目的で使用されます。回転するローディングアイコンや、徐々に伸びるプログレスバーなどが代表的です。
システムやデータの読み込みに時間がかかる場面では、ユーザーに処理中であることを視覚的に伝えられるため、離脱を防ぐ効果があります。デザイン性を持たせることで、ブランドイメージにもつながります。
ドロップダウンやアコーディオンのアニメーション
ドロップダウンメニューやアコーディオンパネルは、コンテンツをコンパクトにまとめながら、ユーザーの操作に応じて展開できる仕組みです。これらにアニメーションを加えることで、開閉動作を自然に見せ、UIの直感性を高めることができます。
たとえば、ナビゲーションメニューがゆっくりと展開する動きや、折りたたまれたセクションがスライドで表示される演出などが該当します。情報量が多いWebサイトでもユーザーが迷わず目的のコンテンツにたどり着けるようにサポートする役割を果たします。
Webサイトにアニメーションを取り入れるメリット
アニメーションは見た目の印象を強めるだけでなく、ユーザー体験やサイトの訴求力を高める要素として活用されています。ここでは、Webサイトにアニメーションを導入することで得られるメリットを紹介します。
興味関心を惹ける
アニメーションを活用することで、訪問者の視線や意識を自然と引き付けることができます。
たとえば、ボタンがふわっと浮かび上がったり、画像やテキストが動きながら表示されたりすると、静的なコンテンツよりも印象に残りやすくなります。読み込み中に表示されるローディングアニメーションも、待ち時間のストレスを軽減する要素として有効です。
このように、適切に配置された動きは、サイト全体への興味を持続させ、回遊性の向上につながります。
オリジナリティが出る
Webデザインのテンプレート化が進む中で、他社サイトとの差別化を図るにはアニメーションが効果的です。
動きの表現次第で、ブランドらしさや企業の世界観を視覚的に伝えることができ、印象にも残りやすくなります。また、ユニークな動きを盛り込むことで、見慣れたレイアウトでも新鮮さを演出できるため、ユーザーにとって記憶に残るWebサイトとして印象付けることが可能です。
デザイン性が高まる
アニメーションはデザインにリズムや動きを加え、静的なページに動的なアクセントを与える効果があります。
フェードインやスライドインなどの基本的な動きであっても、要素の見せ方が洗練され、全体のデザインに一体感をもたらします。視認性や操作性を高めながらも、ビジュアルの魅力を引き出すことで、サイト全体の完成度を高める要素として重宝されます。
Webサイトにアニメーションを取り入れるデメリット
アニメーションは魅力的な表現手法ですが、使い方によっては逆効果になることもあります。ここでは、Webサイトにアニメーションを導入する際に注意すべきデメリットを紹介します。
表示速度が遅くなる
アニメーションを多用すると、Webサイトの表示速度が低下する原因になることがあります。アニメーションには追加のスタイルやスクリプトが必要になるため、読み込むファイルの容量が増え、ページ全体の表示に時間がかかるケースがあります。
とくに画像や動画を含む大きなアニメーションは、ユーザーの通信環境によってはストレスを感じさせる原因にもなります。表示が遅いサイトは、ユーザーの離脱率が上がりやすく、SEOにおいても不利に働くため、導入するアニメーションは必要最低限に絞ることが重要です。
関連性がないとうざいと感じられる
アニメーションの動きがコンテンツやユーザー行動と関係ない場合、うざいと感じられてしまいます。
たとえば、過剰なホバー効果や無意味な動きが連続すると、ユーザーの注意をそらしてしまったり、目的の情報が見つけにくくなったりする恐れがあります。とくにビジネスサイトやコーポレートサイトにおいては、情報の伝達性が重視されるため、アニメーションの効果と役割を明確にしながら配置することが求められます。
視認性や操作性を損なわないように、アニメーションの量や種類などを慎重に検討する必要があります。
Webサイトのアニメーションの作り方
Webサイトのアニメーションは、使うツールや言語によって表現できる内容が異なります。ここでは、主要な作り方を紹介します。
JavaScriptを使う
JavaScriptは、インタラクティブな動きを制御できる代表的なプログラミング言語です。ユーザーの操作に応じて反応する動きや、タイミングを制御する高度なアニメーションを作る際に活用されます。
たとえば、ボタンを押した時の複雑な変化、スクロールに応じて複数の要素が連動する動きなど、細やかな制御が可能です。一方で、実装にはプログラミングの知識が必要であり、初心者にとってはハードルが高いと感じることもあるでしょう。
本格的なアニメーションを作成したい場合には、エンジニアの協力が必要になることがあります。
CSSを使う
CSSアニメーションは、比較的手軽に導入できる手法として人気があります。主に、要素のフェードインや拡大縮小、回転などのシンプルなアニメーションを実現するのに向いています。
コードも少なく済むため、ページの読み込み速度に与える影響も小さく、基本的なアニメーションには十分な表現力があります。ただし、JavaScriptのようにユーザー操作に細かく反応する処理や、複雑な動きの制御には不向きです。
静的な装飾やちょっとしたアクセントに使うと、サイト全体の印象を高めることができます。
GIFアニメーションを使う
GIFアニメーションは、手軽に導入できる画像ベースのアニメーションです。既存の画像やイラストに動きを加えることで、視覚的な印象を強く残す効果が期待できます。
制作には特別なプログラミングスキルは不要で、デザインソフトやGIF作成ツールを使えば簡単に作成可能です。ただし、再生は常にループされるため、ユーザーの操作と連動した動きは実現できません。
また、ファイルサイズが大きくなる傾向にあり、ページの表示速度を低下させる原因にもなります。使用する際は、目的や配置場所を考慮する必要があります。
jQueryを使う
jQueryは、JavaScriptの処理を簡略化できるライブラリで、短いコードで効率的にアニメーションを実装できる点が特徴です。特に、スライド表示、フェード表示、要素の移動など、基本的な動作は直感的に書けるため、JavaScript初心者でも比較的扱いやすいと言えます。
ただし、近年はネイティブJavaScriptやCSSアニメーションの性能が向上したことで、jQueryの読み込みがサイト全体のパフォーマンスに影響を与える場面もあります。読み込み速度を重視するサイトでは慎重な運用が求められますが、手軽に動きをつけたい場合には今も有効な選択肢です。
動きのサンプルになるアニメーションの参考サイト
ここでは、実際にアニメーションが効果的に使われているWebサイトを紹介します。アニメーションの使い方や表現方法を検討する際の参考にしてください。
可愛いアニメーション
やおひこ製菓の一升餅特設ページでは、かわいらしいイラストと緩やかなアニメーションが特徴的です。
イラストがふわっと現れたり、キャラクターがゆっくりと動く表現により、訪れた人に安心感ややさしさを届けています。
特に、ターゲットである親子が見て楽しめるよう、過度な演出ではなく、温かみのある動きを重視して構成されている点がポイントです。可愛らしさとストーリー性を両立したアニメーションの好例といえるでしょう。
スクロールしたいと感じれるアニメーション
デミドのWebサイトは、ユーザーのスクロール欲を自然に引き出す構成と演出が魅力です。
パララックスや滑らかなスライド、ホバーアクションなどを組み合わせ、操作感のよさを感じさせる工夫が随所に見られます。要素の切り替えやマウスオーバーの動きも上品で、視覚的なストレスがありません。
特にCSSだけでは実現が難しい高度なホバー効果などは、JavaScriptとの組み合わせによって洗練された印象に仕上がっています。動きのあるデザインでユーザーを自然と誘導したい場合の参考になります。
コンセプトの打ち出しが完璧なアニメーション
ニュービレッジのコーポレートサイトは、介護を通して“ええ顔”を生み出すという企業コンセプトを、アニメーションの演出によって強く印象づけています。
メインビジュアルに配置された画像や文字が小刻みに揺れたり、フェードイン後に再度動きを加えるなど、細かいアニメーションの積み重ねがサイト全体の世界観を作り上げています。赤を基調としたデザインも、アニメーションによって柔らかさが加わり、親しみやすさと信頼感の両立に成功しています。
ブランドイメージを視覚的に伝える方法として非常に参考になるサイトです。
Webサイトで利用されるアニメーションのまとめ
Webサイトにアニメーションを取り入れることで、ユーザーの興味を惹きつけ、デザイン性を高める効果が期待できます。トランジションやホバー、スクロールなど種類も豊富で、目的に応じた演出が可能です。
一方で、表示速度の低下や使いすぎによるユーザー離れといったデメリットもあるため、導入の際は使い方や技術選定に配慮することが大切です。参考サイトも活用しながら、自社サイトに合ったアニメーション表現を選び、ユーザー体験を高めるサイトづくりを目指しましょう。