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ドメインパワーとは?調べ方と上げ方を解説
ドメインパワーとは、SEO分析ツールが独自に算出しているホームページの強さを示す数値です。検索順位に直接影響するわけではありませんが、被リンクやコンテンツの質と量と相関があり、ホームページの成長度を測る目安として広く利用されています。
この記事では、ドメインパワーの基本的な考え方からSEOとの関係性、目安のとらえ方、代表的な調べ方、そして上げ方のポイントまでを解説します。
目次
ドメインパワーとは
ドメインパワーとは、SEO分析ツールが独自のアルゴリズムで算出するホームページの強さを示した数値です。
検索エンジンが公式に公開している指標ではありませんが、検索エンジンが評価するうえで重要な要素をもとに算出されているため、SEOにおけるホームページの成長度を測る参考指標として世界中で使われています。
かつてGoogleは、PageRankというスコアを公開していました。しかし現在は非公開となり、直接数値を確認する方法はなくなっています。その代わりに、各種SEOツールが被リンクやサイト構造を分析し、PageRankに近い概念を数値化したものがドメインパワーです。
つまり、ドメインパワーは検索エンジンが、「そのホームページをどれくらい信頼して、評価しているか」を推測できる数値と言えます。
ドメインパワーを確認すれば、競合との比較や自社サイトの成長度合いを数値で把握できます。これにより、SEOを進めるうえで参考となる魅力的な指標として活用できます。
ドメインパワーとSEOの関係性
ドメインパワーは、検索エンジンが公式に公開している指標ではありません。しかし、検索エンジンが重視する要素と相関があるため、実際のSEOとも密接に関わっています。ここでは、ドメインパワーとSEOの関係性を解説します。
検索エンジン公式の指標ではない
ドメインパワーは検索エンジンが提供している数値ではなく、MozやAhrefsなどのSEO分析ツールが独自のアルゴリズムで算出したものです。つまり、検索エンジンが直接ランキングに利用しているわけではない点は理解しておく必要があります。
とはいえ、算出に使われている要素は被リンクやコンテンツの質と量など、実際に検索エンジンが評価対象としている部分と重なります。
したがって、ドメインパワーそのものはランキング要因ではなくても、SEOに強く影響する要素を反映している参考値として十分に活用できます。
上位表示されやすくなる
ドメインパワーの高いホームページは、検索結果で上位表示されやすい傾向があります。
理由はシンプルで、「ドメインパワーが高い=被リンクの量が多く質も高い、さらにコンテンツも充実している=検索エンジンから信頼されやすい」という流れが働くからです。
たとえば、同じテーマで似たような記事を公開したとしても、ドメインパワーの高いホームページは評価が先に集まり、検索順位で優位に立ちやすくなります。
特に競合の多いジャンルでは、記事単体の質だけでなく、ドメイン全体の信頼性が検索順位を左右するため、長期的なSEO戦略においてドメインパワーは大きな意味を持ちます。
インデックスされやすくなる
ドメインパワーが高いホームページは、検索エンジンから重要度が高いと判断されやすく、その結果クローラーが頻繁に巡回します。
新しくページを公開した場合でも、ドメインパワーの高いホームページは数時間以内にインデックスされるのに対し、低いホームページでは数日かかることもあります。情報発信のスピードが求められるメディアや、競争の激しいキーワードで上位表示を狙う場合、この差はSEOの成果に直結します。
インデックスが早ければ、ページが検索結果に表示されるまでの時間が短くなり、アクセスの増加も早く始まります。その分、対策の効果検証や改善サイクルも短縮できるため、実務上の大きなアドバンテージとなります。
ドメインパワーの目安
ドメインパワーに「◯点なら強い」といった共通の基準は存在しません。なぜなら、ツールごとに算出方法が異なるため、同じホームページでも数値が大きく変わるからです。
そこで大事なのは、絶対値を信じ込むのではなく、同じツールで競合と比較することです。自社と競合を同じ条件で調べれば、「業界内でどの位置にいるのか」「どのくらい強化すべきか」が見えてきます。
また、自社のスコア推移を確認することも重要です。先月よりも今月の数値が上がっていれば、対策が正しく積み重なっている証拠になります。
つまり、ドメインパワーは強さを示す絶対値ではなく、競合比較や自社の成長確認に活用するための目安と考えるのが正しい使い方です。
ドメインパワーの調べ方
ドメインパワーはSEOツールを使うことで簡単に調べることができます。ただし、ツールごとに算出方法が異なるため、必ず同じツールで比較することが重要です。ここでは代表的な3つのツールを紹介します。
パワーランクチェックツール
パワーランクチェックツールは、日本国内でよく使われている国産の無料ツールです。
調べたいホームページのURLを入力するだけで、0〜100でドメインパワーに相当する「パワーランク」を表示してくれます。
日本向けのUIで操作もシンプルなため、日本のユーザーにとって非常に使いやすい点が特長です。さらに、会員登録をすると毎週自動でパワーランクを計測してくれ、その推移をグラフで確認できます。定期的な成長度合いを追えるのは、他のツールにはない利便性です。
ちなみに、パワーランクチェックツールは他のツールよりもドメインパワーが高めに出やすい傾向があります。
Moz
Mozは、世界的に利用されているSEOツールで、ドメインパワーに相当する「Domain Authority(DA)」という指標を提供しています。
DAは1〜100で表され、被リンクの質や数、コンテンツの充実度、サイト構造などが評価対象です。
そのため、被リンクを中心として算出されるツールに比べると、スコアが低めに出ます。この特徴を理解しておくと、他ツールとの数値差に戸惑うことなく「Mozではこういう基準なんだ」と納得できます。
競合サイトと比較する際には、必ずMoz同士のスコアで相対的に判断することが大切です。
無料アカウントでもDAを確認できます。
Ahrefs
Ahrefsは、SEO実務者から高く評価されているSEOツールで、ドメインパワーに相当する「Domain Rating(DR)」という独自指標を提供しています。
DRは0〜100で表され、被リンクの量と質を総合的に分析して算出されます。つまり、DRは被リンクの影響を強く反映するのが特徴です。
DRの傾向としては、パワーランクチェックツールよりは低めに、Mozよりは高めに出るケースが多く、中間的な数値として扱われています。
無料アカウントでもDRを確認できます。
ドメインパワーの上げ方
ドメインパワーは自然に伸びるものではなく、日々の対策の積み重ねによって高まっていきます。ここでは、ドメインパワーの上げ方を紹介します。
良質な被リンクを獲得する
ドメインパワーを上げるうえで最も影響が大きいのが被リンクです。
ドメインパワーは、外部サイトからどれだけ参照されているかを強く反映するため、良質なリンクを獲得すればスコアが向上しやすくなります。
重要なのはリンク数そのものよりも参照ドメイン数です。たとえば、同じ1,000本のリンクでも1つのホームページから大量にもらうより、1,000の異なるホームページからもらった方が、ドメインパワーは高くなります。
業界メディア、専門性のあるブログ、関連性の高いホームページなどから自然にリンクを得られるよう、価値のある情報発信を継続していくことが大切です。
質の高いコンテンツを作成する
質の高いコンテンツは、ドメインパワーを高める基盤になります。
検索ユーザーの課題を的確に解決し、信頼できる情報を提供するページは、SEOツールの評価指標でも高く算出されやすく、ドメイン全体のスコア向上につながります。
重要なのは、表面的なリライトや一般的な情報の寄せ集めではなく、自社の知見や経験をもとにした独自性のあるコンテンツを発信することです。
こうしたオリジナリティのあるページを継続的に増やしていけば、サイト全体の信頼性が強まり、ドメインパワーを長期的に押し上げることができます。
ホームページの更新頻度を高める
継続的に更新されているホームページは、ドメインパワーが高くなりやすいです。逆に、長期間放置されたままのホームページは評価が下がる傾向があり、ドメインパワーにも悪影響を与えかねません。
更新といっても新規ページを大量に作成する必要はなく、既存ページに最新の情報を追記したり、古いデータを入れ替えたりするだけでも十分です。
定期的に改善や加筆を重ねることで、ドメインパワーの評価指標にもプラスに働き、安定的なスコアの上昇につながります。
ホームページの運営期間を長くする
ドメインパワーは、ホームページの運営期間とも相関があります。
長く安定して運営されているホームページは、それだけでスコアが高まりやすく、新規ドメインと比べて有利になります。逆に、途中で放置したりドメインを頻繁に変更したりすると、蓄積された評価が途切れてしまい、ドメインパワーにもマイナスに働きます。
1つのドメインを腰を据えて育てていくことが、結果的に最も効率的にドメインパワーを高める方法であり、SEO対策の土台にもなります。
サイテーションを集める
サイテーションとは、被リンクがなくてもインターネットで自社名やブランド名が言及されることを指します。
ドメインパワーを算出するツールの多くは、このサイテーションも間接的に評価に反映しており、言及が増えることでスコアが上がる可能性があります。
たとえば、SNSでの投稿、口コミサイト、ニュース記事などで自社名が取り上げられることは、それ自体が信頼性の裏付けになり、ドメインパワーにもプラスに働きます。
プレスリリースの配信やSNS運用、業界サイトへの露出を増やすことは、直接的なリンク獲得だけでなく、サイテーションを通じてドメインパワーを高める取り組みにもつながります。
ドメインパワーと一緒に検索順位も確認しよう
ドメインパワーはホームページの強さを数値化した便利な指標ですが、それだけを追いかけてもSEOの成果は正しく測れません。
なぜなら、ドメインパワーはあくまで被リンクやコンテンツ量などの評価をまとめた参考値になり、実際の検索エンジンの評価指標とは異なるからです。
そのため、SEOの成果を正しく把握するには、ドメインパワーでサイト全体の強さを確認しつつ、検索順位も確認するという二軸でチェックすることが重要です。
両方をセットで見ることで、対策の効果が明確になり、効率的にSEOを進めることができます。
また、順位を計測するツールは、検索順位チェックツールおすすめ11選の記事で紹介しています。
ドメインパワーに関するよくある質問
ドメインパワーは便利な指標ですが、誤解されやすい点や疑問に思う点も少なくありません。ここでは、特によく聞かれる質問に答えます。
ドメインパワーが0のときはどうすればいい?
新規ドメインのホームページは、ドメインパワーが0の状態から始まります。
しかし、焦る必要はありません。まずはユーザーの役に立つコンテンツを作成し、少しずつ被リンクやサイテーションを得ていくことが大切です。
短期間で一気に上げようとするのではなく、半年~1年かけて徐々に育てる意識を持ちましょう。ドメインパワーの上昇は正しく成長している証拠として捉えるのがポイントです。
ドメインパワーは下がることもある?
あります。
たとえば、被リンクが大量に削除されたり、低品質なコンテンツが増えるとドメインパワーは下がります。一時的な変動に一喜一憂するのではなく、長期的に見て右肩上がりを維持できているかどうかに注目しましょう。
ドメインパワーを上げるのにはどれくらいかかる?
ドメインパワーは短期間で急激に上がるものではなく、通常は数ヶ月〜数年かけてじわじわ伸びていきます。
新規ドメインの場合、最初の1年である程度の基盤を作り、2年目以降で安定して評価が積み重なっていくイメージです。目安として「半年で小さな上昇」「1〜2年で業界内での位置が見えてくる」と考えると現実的です。
まとめ:ドメインパワーは目安として活用しよう
ドメインパワーはホームページの強さを数値化した便利な指標ですが、SEOの成果を保証する絶対的な数値ではありません。
ツールごとに算出方法が異なるため、数値そのものに一喜一憂するのではなく、競合との比較や自社の成長度合いの確認に活用するのが正しい使い方です。
重要なのは、ドメインパワーをゴールにするのではなく、SEOの改善を進めるためのコンパスとして扱うことです。数値を目安にしながら検索順位やアクセスの変化も合わせて確認することで、実際の成果に直結する戦略を立てられるようになります。
焦って短期間で数値を上げようとする必要はありません。被リンク、コンテンツ、更新、運営期間といった基本を積み重ねることで、自然とドメインパワーも高まり、SEO全体の基盤が強化されていきます。