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外部SEOとは?評価ポイントと成果につながる対策方法
内部SEOやコンテンツ作成に力を入れても、検索順位が思うように上がらないことがあります。その原因のひとつが、外部SEOへの対応不足です。外部SEOとは、外部からの評価によってホームページの信頼性を高める対策です。検索エンジンはこうした外的要素も重視しており、適切に取り組めば順位の向上が期待できます。
この記事では、外部SEOとは何か、評価ポイント、そして成果につながる対策方法を解説します。
目次
外部SEOとは
外部SEOとは、自社サイト以外で、企業やホームページに関する良い評判を広げ、検索エンジンからの信頼を高めるための対策です。
検索エンジンは、自社サイトの内容だけでなく、他者からどう見られているかも評価の対象としています。つまり、信頼できるホームページとして認知されているか、注目されているかといった外部からの反応が、検索順位に影響を与えるのです。
外部SEOは、内部の施策だけでは伝わりにくい信頼性や影響力を検索エンジンに示す役割を持ち、上位表示のために欠かせない要素のひとつです。
外部SEOで評価される3つのポイント
外部SEOで成果を出すには、検索エンジンがどこを見ているかを理解することが欠かせません。ここでは、とくに影響の大きい3つの評価ポイントを解説します。
被リンクの獲得
被リンクは、外部SEOの中でも特に重要な評価指標です。
自社サイトが他のホームページからリンクされることで、検索エンジンは「信頼されている情報」や「他者に参照されるべき情報」として認識します。
特に、信頼性や関連性の高いホームページから、自然な文脈でリンクされているかどうかが重要です。こうしたリンクは、検索エンジンにとって強い評価シグナルとなり、検索順位に好影響を与えます。一方で、質の低いホームページや無関係なホームページからのリンクは、かえって評価を下げる原因になります。
単なるリンク数ではなく「どこから、どのように」リンクされているかが評価の鍵となる点が、被リンクの最大の特徴です。
被リンクについて詳しくは被リンクとは?のページからご確認ください。
サイテーションの獲得
サイテーションとは、企業名やブランド名、住所、電話番号などが、他のホームページ上で言及されることを指します。リンクがなくても、これらの情報が記載されていることで、検索エンジンはその企業に対する外部からの評価と判断します。
特に、企業名や連絡先などの情報が、公式サイトと同じ内容で他のホームページにも正しく掲載されている場合、検索エンジンはその情報の信頼性を高く評価します。情報に誤りがあったり、ホームページごとに表記がバラバラだったりすると、検索エンジンが情報の正確性を判断できず、評価に反映されなくなります。
被リンクのように明確なリンク先がなくても、企業に関する正確な情報が複数のホームページで言及されていることが、外部からの信頼を示すシグナルとして評価されるのが、サイテーションの特徴です。
サイテーションについて詳しくはサイテーションとは?のページからご確認ください。
ソーシャルシグナルの獲得
ソーシャルシグナルとは、XやFacebook、InstagramなどのSNS上で、コンテンツがシェアされたり言及されたりすることで生まれる反応のことを指します。直接的なリンクがなくても、検索エンジンは「どれだけ話題になっているか」といった注目度の指標としてこれを捉えています。
検索エンジンは、ソーシャルシグナルをランキング要因として公式には明言していません。しかし、SNSで注目を集めているホームページは、被リンクの獲得やブランド名の言及といった他の外部評価につながりやすく、結果的に検索順位の向上に貢献することがあります。
このように、ソーシャルシグナルは直接的な評価対象ではないものの、外部SEOにおける重要な間接的シグナルのひとつといえます。
ソーシャルシグナルについて詳しくはソーシャルシグナルとは?のページからご確認ください。
外部SEOと他のSEOとの違い
SEOにはいくつかの種類があり、それぞれで対策方法や目的が異なります。ここでは、外部SEOと他の主要なSEO対策との違いを紹介します。
内部SEOとの違い
内部SEOとは、サイト内部の構造やコンテンツ、HTMLタグの最適化など、自社サイトの中で完結する対策を指します。たとえば、タイトルタグや見出しの設定、パンくずリスト、モバイル対応などが該当します。
これに対し外部SEOは、自サイトの外部から得られる評価を通じて検索順位を上げる対策です。外部からのリンクやサイテーション、SNSでの言及などが代表例であり、いずれも他者の評価が関係する点が特徴です。
つまり、内部SEOが自分でコントロールできる対策だとすれば、外部SEOは他者との関係性を築いて初めて得られる評価と言えます。
コンテンツSEOとの違い
コンテンツSEOは、検索ユーザーのニーズに応える質の高い記事を作成し、それによって自然検索からの流入を増やすための対策です。たとえば、検索キーワードに最適化された記事や、ユーザーにとって有益なノウハウ系ページなどが該当します。
一方で外部SEOは、その良質なコンテンツを他者に評価してもらい、被リンクや言及を行ってもらうことにより、検索エンジンに高く評価される対策です。
つまり、コンテンツSEOが魅力あるページを作ることだとすれば、外部SEOはその魅力を他者に広めてもらうことが役割です。
テクニカルSEOとの違い
テクニカルSEOとは、検索エンジンがホームページを正しくクロール・インデックスしやすくするための技術的な対策を指します。具体的には、ページ表示速度の改善、XMLサイトマップの整備、構造化データのマークアップ、モバイルフレンドリー対応などが含まれます。
外部SEOは、そうした土台が整った上で、検索エンジンに対してこのホームページは外部から信頼されているという評価シグナルを送る役割を担います。
つまり、テクニカルSEOがホームページを検索エンジンに正しく伝える技術なら、外部SEOはホームページの信頼性を裏付ける外的証拠を与えるものです。
成果につながる外部SEO対策の対策方法
外部SEOでは、被リンクやサイテーションなどの外部評価を得るために、どのような行動をとるかが成果に直結します。ここでは、実際に効果が期待できる具体的な対策方法を紹介します。
高品質なページを作成する
自然な被リンクや言及を得るためには、まずリンクされるに値する高品質なページを作ることが前提です。
ユーザーの悩みに答える有益なコンテンツや、業界で注目される独自の視点を盛り込んだ情報は、他サイトやSNSで紹介されやすくなります。
また、見やすいデザインや構成も重要で、情報の整理や視認性の高さはリンクやシェアされる確率を高める要素のひとつになります。
一次情報を発信する
他にはないオリジナルの情報、たとえば自社の調査結果や独自の事例、専門家の見解などは、外部からの注目を集めやすくなります。
特に、一次情報は信頼性が高く、引用される機会も多いため、自然な形で被リンクを得やすいのが特徴です。定期的に有益な一次情報を公開することで、外部SEOの土台を築くことができます。
被リンク営業を行う
質の高いコンテンツを作ったうえで、その存在を知らせる活動も重要です。
たとえば、関連するメディアやブログの運営者にコンテンツを紹介し、リンク掲載を依頼する手法は、適切に行えば効果的な外部SEOになります。単なるお願いではなく、相手にとってもメリットのある情報提供を意識することで、自然な関係性の中で被リンクを獲得できます。
登録サイトに登録する
企業情報を掲載できるビジネスディレクトリや業界団体のホームページへの登録も、外部SEOに効果的です。
これらのホームページは信頼性が高く、サイテーションや被リンクの獲得につながります。情報を正しく一貫して掲載することで、ローカルSEOにも良い影響を与えます。
セミナーやイベントを開催する
オンライン・オフラインを問わず、セミナーやイベントを開催することも、自然な被リンクや話題性につながる対策です。
イベント情報が紹介されたり、参加者のブログやSNSで取り上げられたりすることで、外部SEOの評価が高まります。開催後のレポート記事も、他メディアで紹介されやすく、二次的なリンク獲得が期待できます。
外部メディアに寄稿する
業界関連のWebメディアや情報サイトに記事を寄稿することは、専門性をアピールしながら被リンクを得る効果的な方法です。
寄稿には審査がある場合もありますが、信頼性の高いメディアに掲載されることで、自社の権威性も高まり、SEO上の評価につながります。掲載先は、業界やサービスと親和性のあるメディアを選ぶことがポイントです。
インタビュー記事を作成する
自社の代表や顧客などへのインタビュー記事は、ストーリー性があり、共感を生みやすいコンテンツです。
業界内で注目されやすく、他サイトやSNSでも紹介される機会が増えます。また、取材相手との関係性を深めるきっかけにもなり、外部とのつながりを強化する意味でも効果的です。
広報戦略を行う
プレスリリースの配信やニュースサイトへの掲載依頼など、広報活動を通じて自社の情報を発信することも、外部SEOの評価につながる手段です。
新サービスの発表や実績の公表などはメディアに取り上げられやすく、そこからの被リンクや言及がSEOに貢献します。広報戦略は単発で終わらせず、継続的に展開することが効果を高めるポイントです。
SNSを運用する
ソーシャルシグナルを獲得するためには、SNSの活用が欠かせません。
投稿がシェアされたり、言及されたりすることで、間接的に検索エンジンの評価につながります。特に情報拡散力の高いXや、業界によってはInstagramやFacebookなどを活用することで、自然な流入と外部からの評価が得られます。
フォロワーとの対話や継続的な投稿も、信頼獲得の土台になります。
外部SEOを行う時の注意点
外部SEOは効果の大きい対策ですが、進め方を間違えると検索エンジンから評価を下げられる原因になることもあります。ここでは、実施時の注意点を紹介します。
数を重視するとペナルティのリスクがある
外部SEOにおいて、被リンクやサイテーションの数を意識しすぎるあまり、質の低いリンクや言及を大量に集めるような手法をとるのは非常に危険です。
たとえば、自作自演のリンクや、リンク販売サイトから購入したリンク、大量に登録できる低品質ディレクトリサイトなどを利用すると、Googleからスパム行為と判断される可能性があります。
また、サイテーションやSNS運用も同様で、無理に言及を増やそうと不自然な投稿や過剰な拡散を行えば、かえってユーザーや検索エンジンから不信感を持たれることになります。
外部評価の量を増やすことは大切ですが、それ以上に、自然で質の高い評価を得ることを重視すべきです。短期的な成果を求めて安易な手段を選ぶのではなく、信頼を積み重ねることを意識した対策が重要です。
関連性が高ければ相互リンクを行っても良い
かつてのSEOでは、相互リンクが効果的な手法として広く使われていましたが、現在では無作為な相互リンクは逆効果になるケースが多く、慎重な判断が必要です。
ただし、関連性が高く、信頼性のあるサイト同士での相互リンクであれば、ユーザーにとって利便性があり、自然な形での評価としてプラスに働く可能性があります。
たとえば、業界内のパートナー企業や公式な協力関係がある団体との相互リンクは、内容にも意味があり、検索エンジンにも正当に評価されることが多いです。
ただし、数を目的に過剰にリンクを交換したり、品質が低いホームページとむやみに相互リンクを結んだりすることは避けるべきです。相手先が自社ブランドやユーザーにとって価値があるかを見極めることが大切です。
外部SEOでおすすめのツール
外部SEOを強化するには、被リンクの状況やサイテーション、検索パフォーマンスを正確に把握することが欠かせません。ここでは、外部対策の効果を分析するために活用できる代表的なツールを紹介します。
Ahrefs
Ahrefsは、外部SEOの分析に特化したプロフェッショナル向けの有料ツールです。
自社サイトや競合サイトの被リンクを詳細に調査できるほか、アンカーテキストやリンク元の参照ドメイン数など、多角的な指標を確認することができます。また、どのページにリンクが集まっているかを把握することで、評価されているコンテンツの傾向を分析することも可能です。
特に競合分析に強く、他社がどのような外部対策を行っているかを把握することで、自社の外部SEO戦略に役立てることができます。外部リンクを重視するホームページにとって、Ahrefsは必携と言える強力なツールです。
Googleサーチコンソール
Googleサーチコンソールは、Googleが無料で提供している公式ツールで、自社サイトの検索パフォーマンスや被リンク状況を確認するのに役立ちます。外部リンク元のURL、リンク数、リンク先のページなどが確認でき、どのコンテンツが多くリンクされているかを把握できます。
また、不自然な外部リンクがあった場合はリンクの否認ツールを使って、Googleにそのリンクの評価を除外する申請が可能です。
クローラーの状態やインデックス状況も確認できるため、外部SEOに限らず総合的なSEOが管理が行えます。無料ながら基本的な外部リンク監視に必要な機能が揃っており、まずはここから始めるのがおすすめです。
まとめ:外部SEOは短期ではなく長期で計画を立てる
外部SEOは、すぐに結果が出る対策ではありません。良質な被リンクやサイテーション、ソーシャルシグナルを地道に積み重ねれば、検索エンジンからの評価を高め、検索順位の向上につながります。
短期間で成果を求めて無理なリンク獲得などを行うと、かえってペナルティを受けるリスクもあるため、信頼性のある方法でコツコツと対策を続けることが大切です。内部SEOやコンテンツSEOとあわせて、外部からの評価を意識した総合的なSEO戦略を立てることで、より安定した集客と上位表示が実現できます。