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ファーストビューとは?最適なサイズの決め方と参考デザイン
ファーストビューは、ホームページ制作において重要な要素の一つです。訪問者が最初に目にするファーストビューを最適化することで、コンバージョン率の向上やSEO効果の向上が期待できます。
当ページでは、ファーストビューとは何かや重要性、最適なサイズの決め方、作り方のコツ、参考デザイン、継続した改善の必要性とポイントについて解説します。
目次
ファーストビューとは
ファーストビューとは、ホームページにアクセスした際に、スクロールをしない状態で最初に表示される範囲のことを指します。これは、ユーザーがサイトに訪れた瞬間に目にするエリアであり、ホームページの第一印象を決める重要な要素です。
こちらは当社のトップページをパソコンで閲覧したときのファーストビューになります。
さらにスマートフォンでは以下になります。
ファーストビューの範囲は、閲覧する端末によって異なります。例えば、パソコンの大画面では広いスペースを活かしたレイアウトが可能ですが、スマートフォンでは表示エリアが限られるため、コンテンツの配置やデザインを最適化する必要があります。
さらに、画面の解像度やブラウザの設定によっても、表示されるファーストビューの見え方が異なるため、どのデバイスでも適切に情報を伝えられる設計が求められます。
一般的に、ファーストビューにはヘッダー、グローバルナビゲーション、メインビジュアルが含まれることが多く、サイトによってはキャッチコピーやCTAボタンも配置されます。
また、近年ではアニメーションや動画を活用したファーストビューも増えており、視覚的なインパクトを与えることでユーザーの関心を引く工夫がされています。
ホームページ制作において、ファーストビューをどのように設計するかは、ユーザーの離脱率やコンバージョン率に大きく影響します。適切なデザインと構成を意識することで、ユーザーにとって魅力的で使いやすいサイトを実現することが可能です。
ファーストビューの種類
ファーストビューのデザインは、サイトの目的やターゲットユーザーによって大きく異なります。企業サイト、ECサイト、ブログなど、用途に応じて適切なデザインを選択することで、視覚的なインパクトを与え、ユーザーの興味を引くことができます。ここでは、代表的なファーストビューの種類について紹介します。
ヘッダーアイキャッチ・アイキャッチ画像
ヘッダーアイキャッチとは、トップページのファーストビューに配置される大きな画像のことを指します。主に、ブランドイメージやサイトのメッセージを伝えるために使用されることが多いです。一方で、中ページの場合はアイキャッチ画像と呼び、コンテンツの内容を視覚的に伝える役割を持たせることが一般的です。
ヘッダーアイキャッチやアイキャッチ画像は、サイト全体の印象を決める重要な要素となるため、視認性の高い画像を選ぶことが大切です。
画像スライダー
画像スライダーは、複数の画像が自動的に切り替わるデザインです。ECサイトや企業のサービスページでよく見られ、商品の特徴やサービス内容を効果的に伝える手法として活用されています。
特に、期間限定のキャンペーン情報や新商品の紹介を行う際に適しています。ただし、スライドの切り替え速度が速すぎると、ユーザーが内容を理解しにくくなるため、適切な表示時間を設定することが大切です。
コンテンツスライダー
コンテンツスライダーは、画像だけでなくテキストやボタンなどの要素を含んだスライド形式のデザインです。
主にニュースサイトやブログ、ポートフォリオサイトで使用されることが多く、最新情報やおすすめの記事をまとめて表示することができます。画像スライダーと異なり、情報をテキストと組み合わせて伝えられるため、詳細な説明が必要なコンテンツにも適しています。
ピックアップスライダー
ピックアップスライダーは、特定のコンテンツやキャンペーン情報を強調して表示するデザインです。
ECサイトでは、新商品や人気商品の紹介、期間限定セールの案内などに使用されることが多く、訪問者に対して重要な情報を強くアピールすることができます。ピックアップスライダーでは、視認性の高さが重要になるため、テキストやCTAボタンを適切に配置し、クリックしやすいデザインにすることが求められます。
ヘッダー動画
ヘッダー動画は、ファーストビューに動画を埋め込むことで、ダイナミックな演出を加えるデザインです。
静止画よりも多くの情報を短時間で伝えることができ、ブランドイメージや製品の特長を視覚的に強く訴求できます。特に、企業のコーポレートサイトやブランドサイトで採用されることが多く、ユーザーの興味を引きつける効果があります。
アニメーション
アニメーションを活用したファーストビューは、視覚的な動きでユーザーの興味を引くデザインです。
スクロールと連動して要素が表示されるパララックス効果や、ふわっと浮き上がるような演出など、さまざまな手法があります。動きを加えることで、ブランドの雰囲気を伝えやすくなり、視線誘導をコントロールすることも可能です。
特に、ユーザーに特定のアクションを促したい場合、アニメーションを活用することで、よりスムーズに目的のコンテンツへ誘導できます。
ファーストビューの重要性
ホームページに訪れたユーザーが最初に目にするファーストビューは、サイト全体の印象を決める重要な要素です。適切に設計されたファーストビューは、サイトの目的を明確に伝え、訪問者の行動やSEO対策に大きな影響を与えます。ここでは、ファーストビューが持つ役割や影響について解説します。
コンバージョン率の向上
ファーストビューは、ホームページにアクセスしたユーザーが最初に目にするコンテンツです。
ユーザーは、ページを開いた瞬間に、そのサイトが自分の求める情報を提供しているかどうかを直感的に判断します。そのため、ファーストビューにページの内容や目的、提供できる価値を明確に示すことで、ユーザーの不安を解消し、サイトの回遊率やコンバージョン率の向上につながります。
SEO効果の向上
Googleは、ページの上部に記載されている情報を重要視する傾向があります。そのため、ファーストビューにページの主題となるキーワードや重要な情報を適切に配置すれば、検索エンジンの評価を高めることができます。
もちろん、ファーストビューの最適化だけでなく、ページ全体のコンテンツの質を高めることが、SEO効果を最大化するポイントです。適切なキーワード配置とユーザーにとって価値のあるコンテンツの両方を意識し、検索エンジンとユーザーの両方にとって最適なファーストビューを設計することが重要です。
適切なファーストビューのサイズ(高さ・幅)
ファーストビューのサイズは、ユーザーがどのデバイスを使用しているかによって異なります。パソコンやスマートフォンなど、端末ごとに最適なサイズを設定することで、視認性や操作性を向上させ、ユーザーにとって快適な閲覧体験を提供できます。
ここでは、Webトラフィック解析を行うStatcounterのデータを基に、パソコンとスマートフォンの解像度シェアを参考にしながら、適切なファーストビューのサイズ(高さ・幅)について解説します。
パソコンの場合
パソコンのファーストビューのサイズを検討するために、国内の解像度シェアを確認します。
Statcounterの2024年1月〜7月のデータによると、最も利用されている解像度は1920×1080(27.28%)となっています。次に、1536×864(10.37%)、1366×768(6.98%)が続いています。
そのため、横幅1920px、高さ1080pxに対応したデザインを基準にするのが適切です。
スマートフォンの場合
スマートフォンのファーストビューのサイズを検討するために、国内の解像度シェアを確認します。
Statcounterの2024年1月〜7月のデータによると、最も多く利用されているスマートフォンの解像度は390×844(17.34%)です。次に、375×667(8.36%)、375×812(7.49%)が続いています。
そのため、横幅390px、高さ844pxに対応したデザインを基準にするのが適切です。
ファーストビューを確認する方法
理想的なファーストビューを設定したら、自分のホームページがどのように表示されているかを確認することが重要です。デバイスごとに適切な表示になっているかをチェックし、必要に応じて調整することで、ホームページのコンバージョン率を向上させることができます。
Google ChromeのデベロッパーツールにあるToggle Device Toolbarを利用すれば、異なる解像度でのファーストビューの見え方を簡単に確認できます。
これを活用することで、スマートフォンやタブレット、パソコンなど、さまざまなデバイスでの表示をシミュレーションし、適切なデザイン調整を行うことが可能です。
それぞれのデバイスでどのように表示されているかを把握し、ファーストビューのレイアウトや要素の配置が最適化されているかをチェックしましょう。適切な調整を行うことで、ユーザーの視認性を向上させ、より効果的なファーストビューを実現できます。
ファーストビューの作り方のコツ
ファーストビューは、適切なデザインと構成を取り入れることで、訪問者を次のアクションへとスムーズに誘導することができます。ここでは、ファーストビューを効果的に作るためのコツを紹介します。
ページの魅力を端的に伝える
ファーストビューに長文を詰め込みすぎると、ユーザーは情報過多に感じ、ページを読むのを諦めてしまう可能性があります。そのため、短く端的な文章で、ページの目的や魅力を伝えることが重要です。
短いながらも伝わりやすい言葉選びを意識しましょう。また、端的な表現にすることで、ユーザーがページ下部へスクロールしやすくなり、サイト全体の回遊率やコンバージョン率の向上にもつながります。
過剰な宣伝を避ける
ファーストビューは、ユーザーの目に必ず入るため、企業やサービスをアピールする重要なスペースですが、過剰な宣伝をすると逆効果になることがあります。押し売りのような表現や、大量の広告的要素を詰め込むと、訪問者は不快感を覚え、ページから離脱してしまう可能性があります。
そのため、適度なバランスを意識し、伝えるべき情報を整理することが重要です。もちろん、ファーストビューで営業的な要素を入れるのは問題ありませんが、ユーザーの視点に立ち、情報提供と訴求のバランスを取りながら設計することを意識しましょう。
CTAボタンを設置する
ランディングページやサービスサイトでは、ファーストビューにCTAボタンを設置することで、コンバージョン率を向上させることが可能です。CTAボタンがあることで、訪問者が、このページで何ができるのかを直感的に理解しやすくなり、スムーズなアクションにつながります。
また、CTAボタンの色や配置も重要です。目立つデザインにすることで、訪問者の視線を誘導し、クリック率を向上させることができます。
ページで重要なSEOキーワードを利用する
Googleは、ページの上部に記載されている情報を重要視する傾向があります。そのため、ファーストビュー内にSEOにおいて重要なキーワードを適切に含めることで、検索エンジンからの評価が向上する可能性があります。
ただし、キーワードを無理に詰め込みすぎると、ユーザーにとって不自然な文章になり、読みにくいと感じさせてしまいます。SEO対策だけでなく、ユーザーにとって自然で分かりやすい表現を心がけることが重要です。
デザインの一貫性を保つ
ファーストビューのデザインは、サイト全体のブランディングやユーザー体験に影響を与えるため、統一感のあるデザインを心がけることが大切です。例えば、カラースキーム、フォント、レイアウトなどを統一することで、ユーザーが違和感なくページを閲覧できるようになります。
企業サイトであればブランドカラーを反映させたり、ECサイトであれば商品イメージとマッチするデザインを選択することで、ブランドの印象を強化できます。
一貫性のないデザインは、視認性を下げ、離脱率を高める原因になるため、全体の統一感を意識しながら設計することが重要です。
ファーストビューを見直すべき理由とポイント
ファーストビューは、ホームページの第一印象を決定づける重要な要素です。しかし、一度作成したら終わりではなく、定期的な見直しと改善が必要です。ユーザーの行動やトレンドの変化、アクセス解析の結果をもとに最適化を行うことで、コンバージョン率の向上やSEO効果の強化につながります。
ここでは、ファーストビューの改善ポイントについて解説します。
アクセス解析の結果で課題を洗い出す
ファーストビューの改善には、データ分析が欠かせません。
直感的にデザインを変更するのではなく、Google Analyticsなどのアクセス解析ツールを活用し、ユーザーの行動データを把握することが重要です。特に、直帰率が高い場合は、ユーザーがファーストビューだけを見て離脱してしまっている可能性があります。
これらのデータを分析し、ファーストビューのどの要素がユーザーの離脱につながっているのかを明確にすることが、改善の第一歩となります。
仮説を立ててサイトを改善する
アクセス解析の結果をもとに、どのような要因が問題なのか仮説を立て、それに基づいて改善策を検討します。
重要なのは、なぜユーザーが期待する行動を取らないのかを分析し、その原因を明確にすることです。仮説を立て、具体的な施策を実施することで、ファーストビューの効果を高めることができます。
改善後に効果測定を行う
ファーストビューを改善した後は、再びアクセス解析を行い、効果を測定することが重要です。改善前と比べて直帰率が下がったか、スクロール率やCTAボタンのクリック率が向上したかなどのデータを確認し、施策の成果を評価します。
もし改善が見られなかった場合は、別の仮説を立ててさらなる調整を行うことが必要です。市場のトレンドやユーザーのニーズは変化し続けるため、一度改善したら終わりではなく、定期的なファーストビューの見直しを習慣化することが大切です。
ファーストビューの参考デザイン
ファーストビューの設計次第で、訪問者の印象や行動が大きく変わります。効果的なファーストビューを作るためには、他社の優れたデザインを参考にすることが有効です。ここでは、異なる業界のホームページから、ファーストビューの設計において参考になるポイントを紹介します。
ディーテック
ディーテックのファーストビューでは、電気設備工事や空調設備工事を提供していることが一目で伝わるように設計されています。
メインビジュアルには、実際の工事現場の写真を使用し、電気と空調のディーテックというキャッチコピーを配置しています。ビジュアルが切り替わるスライダー仕様になっており、訪問者に対して事業内容を視覚的に伝えやすくなっています。
このように、業種に応じたリアルな画像とキャッチコピーを組み合わせることで、ユーザーに明確なメッセージを伝えることができます。
nekopi
nekopiのファーストビューでは、可愛らしいデザインと手書き風のイラストに、動きのあるアニメーションを活用し、ユーザーの興味を引く工夫がされています。例えば、猫がサングラスをかけたり外したりする動きが取り入れられており、遊び心のある印象を与えています。
このように、商品コンセプトに合ったデザインやアニメーションを活用することで、ブランドイメージを強く印象付けることができます。
掃除之助
掃除之助のファーストビューでは、清掃サービスという業種を強調するデザインが採用されています。掃除道具を持った人物のビジュアルと、其処までやるか!妥協知らずの掃除道というインパクトのあるキャッチコピーを組み合わせることで、訪問者に対して徹底的に掃除をするサービスという印象を与えています。
さらに、ヘッダーには電話番号やお問い合わせボタン、画面右下には無料見積もりバナーを設置することで、ユーザーがスムーズにアクションを起こせるように設計されています。
このように、ファーストビューで業種の特徴を強く打ち出しつつ、CTAを適切に配置することで、コンバージョンにつながる設計が可能になります。
ファーストビューのまとめ
ファーストビューは、ユーザーの第一印象を左右し、ホームページのコンバージョン率やSEO評価にも影響を与える重要な要素です。適切なデザインや構成を意識することで、訪問者の興味を引き、サイト全体の成果向上につながります。
本記事がファーストビューって何?、どう設計すれば最適なのか?と悩んでいる方の参考になれば幸いです。