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PHPのバージョンアップとは?必要な理由や注意点、流れを解説
PHPのバージョンアップを行うことで、ホームページの表示速度の向上や、セキュリティの強化などを実現することができます。
特に、昨今では、WordPressサイトを制作することが多く、WordPressはPHPを実装しているので、ほぼすべての会社がPHPのバージョンを管理する必要があります。
当ページでは、PHPのバージョンアップとは何かや、必要な理由、注意点、種類、利用環境、廃止される理由、バージョンアップの流れについて解説します。
目次
PHPのバージョンアップとは
PHPのバージョンアップとは、新しいバージョンのPHPへとアップグレードすることを言います。
PHPにはバージョンが存在していて、PHPがリリースされた段階では、そのときのセキュリティや表示速度対策などは行ってくれていますが、完璧な状態であるとは言えず、リリース後から問題点の改善が取り組まれ、既存のものよりも優れたPHPが開発されると、新バージョンがリリースされます。
つまり、PHPのバージョンアップは、ホームページのセキュリティ強化や表示速度の向上などに効果を発揮するので、Webマスターは定期的にPHPのバージョンアップを行う必要があります。
PHPのバージョンアップが必要な理由
PHPのバージョンアップが必要な理由を解説します。
セキュリティの強化
PHPのバージョンアップを行うことで、セキュリティを強化することができます。
新バージョンのPHPをリリースした段階では発見できなかったような脆弱性の修正を新バージョンでは改善してくれているという魅力があります。
特に、昨今のホームページはWordPressを実装することが当たり前になっていて、WordPressは脆弱性を狙われることが多いので、PHPのバージョンアップを常に意識しなくてはなりません。
また、WordPressでは推奨のPHPのバージョンが存在しており、2024年8月14日現在は7.4以上になります。
表示速度の向上
PHPのバージョンアップを行うことで、ホームページの表示速度が高まります。
例えば、PHP7.0は以前のPHPのバージョンと比較をすると、処理速度が最大で2倍と言われており、シンプルなホームページであれば体感ができないかも知れませんが、複雑なホームページだと表示速度に大きな差が生まれます。
ユーザーが少しでもスムーズにホームページを閲覧するためにも、PHPのバージョンアップを行うことは大きなメリットと言えます。
ソースコードの質が向上
PHPのバージョンアップを行うことでソースコードの質が向上します。
最新バージョンのPHPでは、古いバージョンと比較をすると、機能が追加されたり、ソースコード自体が改善されているので、プログラマーは不要なコードを省くことができ、効率よくソースコードの記述を行うことが可能です。
その結果、ホームページのソースコードは整理され、表示速度の向上や、検索エンジンのクローラーの閲覧効率が高まり、サイト自体の質が高まります。
サポートの適応
PHPにはサポート期間が存在しています。
サポート期間内であれば、バグの修正や機能追加、セキュリティの改善などをサポートしてくれるのですが、サポート期間が切れてしまうと、バグの修正やセキュリティアップデートの提供を行ってもらうことができません。
そのため、定期的にPHPをバージョンアップして、サポートの適応を行うことで、ホームページの安全性の向上や、さまざまなプログラム同士の互換性を高めることができます。
また、PHPのサポート期間はこちらのページで詳しく解説されています。
PHPのバージョンアップの注意点
PHPのバージョンアップの注意点は、Webマスター自身でPHPのバージョンアップを行ってしまうと、ホームページが正しく表示されなくなるリスクがあるという点です。
例えば、WordPressのバージョンが、新バージョンのPHPに対応していなければ、WordPress自体が動作しなくなってしまいますし、プラグインやデザインテーマにも対応したPHPのバージョンが存在します。
そのため、PHPのバージョンアップは重要ですが、Webマスターだけで行うのではなく、Webの知識がある方やホームページ制作会社に相談しましょう。
PHPのバージョンアップの種類
PHPのバージョンアップには2つの種類があります。
メジャーアップデート
メジャーアップデートとは、例えば8.0というバージョンが、9.0などに切り替わることを言い、大まかにですが、5,6年に1度メジャーアップデートが行われます。
メジャーアップデートでは、主に「実行できるPHPプログラムの追加」や、「不要なPHPプログラムの廃止」、「パフォーマンスの向上」、「バグの修正」、「セキュリティの向上」が含まれているので、メジャーアップデートへの対応は必須と言えます。
マイナーアップデート
マイナーアップデートとは、例えば8.0というバージョンが、8.1などに切り替わることを言い、大まかにですが、1年に1度マイナーアップデートが行われます。
マイナーアップデートでは、主に「バグの修正」と「セキュリティの向上」の2点になっていて、重要性が高い場合は対応すべきですが、そうではない場合は無理に対応する必要はありません。
PHPのバージョンを利用する環境
PHPのバージョンは、サーバー環境で利用ができるバージョンとできないバージョンが存在しています。
例えば、当社がホームページ制作でよく利用するエックスサーバーで利用できるバージョンは以下です。
2024年8月14日現在で言うと、PHPの最新バージョンは8.3系になっているので、一応すべてのPHPのバージョンには対応ができていますが、推奨されているのは、8.1.22になっています。
8.1系のバージョンは、上記のサポート期間の画像を見ると、2024年11月25日までになっているので、それまでにおそらくエックスサーバーの推奨が8.2系になってくるので、推奨になった段階でPHPのバージョンアップを行う必要があります。
また、エックスサーバーのPHPのバージョンの考え方はこちらをご覧ください。
PHPが廃止される理由
PHPのバージョンは廃止されることがあり、例えば、新しいバージョンのPHPがリリースされると、古いバージョンのPHPが廃止されてしまいます。
その理由は、新しいPHPのバージョンの方が、機能性が高いため、新バージョンのPHPの改善を行ったり、新バージョンのPHPの開発にリソースを割いたほうがユーザーにとって有益になるからです。
また、廃止されたPHPを利用し続けることはおすすめではなく、レンタルサーバー会社が古いバージョンのPHPのサポートを辞めると、サーバー上で動作しなくなってしまったり、サイバー攻撃の標的になりやすくなるなどのリスクが存在しています。
そのため、WordPressサイトを制作したら、定期的なPHPのバージョンアップは必須になっていて、最低でもメジャーアップデートごとにバージョンアップに対応していかなくてはなりません。
PHPのバージョンアップの流れ
WordPressサイトにおけるPHPのバージョンアップの流れを解説します。
1. テストサイトを制作
PHPのバージョンアップを行う際には、テストサイトの制作を行いましょう。
テストサイトを制作する際には、レンタルサーバー会社の仕様によりますが、多くがドメインごとにPHPのバージョンを切り替えることができるので、異なるドメインでテストサイトを制作することがおすすめです。
また、異なるレンタルサーバー会社の利用は仕様が異なるので駄目で、昨今のレンタルサーバー会社はマルチドメインという1台のサーバーに複数のドメインを搭載することができるので、マルチドメインでの契約を行うことがおすすめです。
2. テストサイトのPHPをバージョンアップ
テストサイトのPHPのバージョンをアップしましょう。
レンタルサーバー会社ごとにコントロールパネルのインターフェイスが異なりますが、エックスサーバーであれば以下のようにドメインを選択できます。
3. テストサイトの修正
テストサイトのバージョンアップ後に、テストサイトを確認して、不具合がないかをチェックしましょう。
チェックを行う際に、ユーザーが見るホームページ側と、メールフォームや検索システムなどの動作、管理画面の見栄えと操作を確かめる必要があります。
また、合わせてWordPressとプラグインのバージョンアップも行っておくことで、よりセキュリティの強化ができたり、ホームページの表示速度を高めることができます。
ここでリストアップされた不具合はすべて改善を行いますが、本番サイトのPHPをバージョンアップすると同じ問題が発生するので、修正内容をメモしておく必要があります。
4. 本番サイトのバージョンアップと修正
本番サイトのバージョンアップと修正を行い、念のためにユーザーが見るホームページ側の確認と、メールフォームや検索システムなどの動作、管理画面の見栄えと操作の確認を行います。
上記の流れでPHPのバージョンアップは完了です。
PHPバージョンアップのまとめ
PHPのバージョンアップを解説しました。
PHPのバージョンアップを行うことで、セキュリティレベルの向上や品質向上に繋がるので、ホームページのコンバージョンに良い影響を与える可能性があります。
PHPのバージョンアップって必要?とお思いの方の参考になれば幸いです。