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ZMOTとは?Googleが提唱する購入の意思決定モデル
ZMOTはあまり聞きなれない言葉かも知れません。
ZMOTとは、Googleが提唱する購入の意思決定モデルのことを言い、消費者が購入行動に至るよりも前のタイミングで、情報収集を行い、商品にたどり着くときには、すでに購買の意思決定を済ませているというマーケティング理論です。
当ページでは、ZMOTとは何かや、以前からある購入の意思決定モデルの紹介、Web時代における購入の意思決定モデル、対策法を紹介します。
目次
ZMOTとは
ZMOT(ジーモット)とは、Zero Moment of Truthの頭文字を取った略語になり、2011年にGoogleが提唱したマーケティング理論で、顧客はお店に訪問する前の段階から、すでに購入するものを定めているという考え方になります。
ZMOTは、Web時代の購買決定要因モデルを反映した理論になっており、Webが発達する以前であれば、顧客が購買行動を行う際には、店舗に訪れて実際に商品を手に取ってから購入するかどうかを判断していました。
しかし、Webが発達したことによって、Web上で商品を確認したり、さらには口コミや評判などを調べることができるようになった結果、オンライン上ですでに商品を購入するかどうかを判断できるようになったのです。
すなわち、ZMOTとは、来店前(Zero)に、商品の購入を決定(Moment of Truth)することを指しています。
また、GoogleのホームページでZMOTを解説しているページはこちらになり、スペイン語で書かれていますが、ブラウザの翻訳機能で閲覧ください。
ZMOT以前からある購入の意思決定モデル
ZMOT以前からある2つの購入の意思決定モデルを紹介します。
FMOT
FMOT(エフモット)とは、First Moment of Truthの頭文字を取った略語になり、2005年にP&G社が提唱したマーケティング理論で、顧客は店舗に陳列された商品を3~5秒の間で購入する商品を決定するという考え方になります。
顧客は、TVCMなどの広告を見て商品の購入を定めるのではなく、実際に店舗に訪れて、初めて商品を見たとき(First)に3~5秒の間で購入するかを決定(Moment of Truth)しています。
FMOTがP&G社で導入された背景には、CMを放映しても、売上が伸び悩んでいたことが挙げられ、それまではCMが商品の売上を大きく左右すると考えられていましたが、実は、商品パッケージや売り場でのプロモーション、陳列の仕方が購買に大きな影響を与えていることが分かり、FMOTが導入されています。
SMOT
SMOT(エスモット)とは、Second Moment of Truthの頭文字を取った略語になり、P&G社が提唱したマーケティング理論で、購入後の情報提供が、リピート購入に繋がることを示す考え方です。
どれだけ新規の見込み顧客を獲得したとしても、その後に継続して購入が見込めなければ、安定して売上を上げ続けることはできません。
つまり、顧客が商品の購入を決定する(Moment of Truth)際に、再購入を促せる(Second)対策を適切に行うことで、リピーターの獲得に大きく影響を与えるという考え方になります。
こういった背景から、P&G社では、宣伝を最小減に抑えたとしても、再購入を促す仕組み作りが重要であると考えられるようになりました。
SMOTの対策法としては、カタログやパンフレットで別商品を紹介したり、割引券を配布し再購入価格を下げる、カスタマーサポートを充実するなどが挙げられます。
Web時代における購入の意思決定モデル
Web時代においては、ZMOTやFMOT、SMOTに加えStimulusと呼ばれる考え方があり、この4つがWeb時代の購入の意思決定モデルと言われています。
Stimulusとは、テレビCMやWeb上の広告、家族・友人などの口コミが顧客とのファーストコンタクトになるという考え方になります。
すなわち、Stimulusで顧客に知ってもらい、ZMOTで購買を決定し、FMOTで実際の商品を手に取ってもらい、SMOTでリピーターになってもらうのが、Web時代の購入の意思決定モデルと言われています。
Web時代の購入の意思決定モデルを知ることで、適切なプロモーションやホームページのコンテンツ作成、実店舗での販促戦略を行うことができるので、期待以上の売上を達成することが可能です。
ZMOT対策の行い方
ZMOTは、顧客が商品を購入することを決定することを指しており、どんな対策を行えば良いかを紹介します。
ホームページをスマートフォンに対応する
昨今、多くのインターネットユーザーがパソコンではなく、スマートフォンでホームページにアクセスします。
すなわち、ホームページのスマートフォン対応が必須になり、スマートフォン対応の方法として、おすすめするのがレスポンシブデザイン作成です。
レスポンシブデザイン作成を行うことで、パソコンとスマートフォン、要望があればタブレットで異なるレイアウトのホームページを表示することができるのですが、レイアウトはユーザーの閲覧媒体の幅によってCSSで切り替えているだけなのでワンソースになっています。
すなわち、ホームページの運営時に、パソコン用とスマートフォン用で2回更新する必要はなく、1回の更新でパソコンもスマートフォンも修正されるようになります。
ZMOT対策を行うかどうかに限らず、現在のホームページはほぼ100%がスマートフォンに対応しているので、当ページをご覧の方で、まだスマートフォンに対応していないのであれば、この機会にスマートフォン対応を行いましょう。
ちなみに、レスポンシブデザイン作成の詳細についてはこちらからご確認ください。
ユーザーが求めているコンテンツを網羅する
ZMOTでは、実店舗に訪れる前に、商品の購買を決定させる必要があります。
つまり、ユーザーが求めている情報をすべて提供することが重要になっており、さまざまなホームページの分析ツールを利用して、ユーザーニーズの調査とコンテンツ作成が求められています。
もちろん、商品の基本情報なども重要になっているので、当たり前の内容はしっかりとコンテンツ化を行い、プラスアルファでユーザーニーズに応えることができるコンテンツを作成しましょう。
検索エンジン対策を行う
昨今のユーザーは、検索エンジンを利用して、情報収集を行っているので、検索エンジン対策が必須です。
検索エンジン対策として行うべきは、SEOとMEO、リスティング広告の3点になっており、自社の運営時間や予算に応じて対策法を検討しましょう。
一般論としてですが、予算がある企業であればリスティング広告を、時間を十分に確保できるのであればSEO、BtoCや店舗型であればMEOの実施が必要になります。
SNS運用を行う
昨今のユーザーは検索エンジン以外にもXやFacebook、InstagramなどのSNSを活用するケースが増えています。
そのため、ZMOT対策として、SNSを運用して、見込み顧客に対してアプローチを行いましょう。
SNSを使って、見込み顧客に対して良質なコンテンツの投稿を繰り返していくことで、自然と多くのユーザーが御社や商品、サービスに興味を持ってくれるようになります。
ZMOTのまとめ
ZMOTとは何かや、以前からある購入の意思決定モデルの紹介、Web時代における購入の意思決定モデル、対策法を紹介しました。
Web時代における購入の意思決定モデルでは、ZMOTへの理解が必須になっており、適切に対策を実施することによって、期待以上の成果を発揮できるようになります。
ZMOTって何?とお考えの方の参考になれば幸いです。